「なぜ結婚しないのか?」独身男性が独りでいる理由を進化論的に分析してみた(海外研究)
世界中で独身者が増えている。アジア、ヨーロッパ、アメリカでは、婚姻率は下がる一方で、揺るぎない人間関係自体が急速に減りつつある。
危惧すべきこの傾向を理解するべく、研究たちが、人々が匿名で自分の気持ちを遠慮なく打ち明けられる世界大手の掲示板Redditで、調査を行った。
キプロス、ニコシア大学の准教授メネラオス・アポストロウ氏は、Redditで「男性諸君、どうしてあなたは独身なのか?」という問いを投げかけ、それに対して投稿されたコメント6794件を分析した。
その多種多様な回答は、進化論の支える枠組みに当てはまり、それが独身傾向の総合的な説明になるという。
・なぜ結婚しないのか?その理由トップ3
この質問を誰にするかにもよるが、Redditの男性ユーザー、6794件の回答を分析、コード化、分類したところ、43種のカテゴリーに分けられたという。
男性が結婚しないでいる理由のトップ3は以下となっている
・自分の容姿が悪い(662コメント)
・自分に自信がない(544コメント)
・自分の努力が足りない(514コメント)
ひどい遺伝子に呪われているせいとか、互いに信頼できるかがカギだが、自分は拒否されているというコメントもあった。
・男性が独身でいる理由
男性たちが独身でいる理由は、3つのカテゴリーに分けられるという。「自由の選択」、「人間関係を築く難しさ」、そして「束縛感」だ。
「自由の選択」は自由で気軽な関係のほうがいいということだ。
「人間関係を築く難しさ」はいわゆるコミュニケーションスキルの問題で、もっとも興味深く、議論の分かれる理由だ。
「束縛感」はこれまでの人間関係と結びつく。
こうした困難は、現実にRedditの投稿者がおかれている状況といえよう。
例えば、ヘテロ(異性愛者)の男性たちは、恋人と盛り上がることができないと悩んでいる。また、空気が読むのがひどく苦手な男性は、だからデートしないのだと語る。

・真の問題は進化の過程上のミスマッチにある
アポストロウ氏は、本当の問題は"ミスマッチの問題"だという仮説をたてる。
昔の男たちは、妻を娶るのに、恋愛を楽しんだり、友情に頼る必要はなかった。彼らは暴力や家系の結びつきによって配偶者を獲得した。
だが、こうした男たちの子孫である現代の男たちは、女性を惹きつけるのに必要な社会的スキルを進化させることなく、ただ右往左往しているだけだというのだ。
わたしたちは、祖先が異性の生殖能力に接近することができたメカニズムを受け継いでいるはずなので、今日でも同じようにできそうなものだ。
だが、先祖と現代の状況の大きな違いによって、この可能性は危うくなっている。この違いはミスマッチの問題として知られている

・先祖の社会を持ち出すべきではない。この説に異論を唱える声も
ニューカースル大学で男らしさについて研究する、クリス・ヘイウッド博士は、この研究が、男たちが自分たちの恋愛関係をどのように語るかという重要な話題を提供してくれる一方で、アポストロウ氏が自分の"ミスマッチ説"の比較のために、先祖の社会を持ち出していることに困惑する、と語る。
ヘイウッド博士は、アポストロウ氏が男らしさを混同して、それらを"現代の男らしさのほんの一面的な概念"と比較しているのは、紛らわしいと説く。
・そもそも生殖がすべてではない
また、ヘイウッド博士は、ここでとられている理論的アプローチが、配偶者を惹きつけ確保するための進化論的適応として、性欲とロマンチックな愛を枠にはめているやり方に反論する。
男女関係は生殖によって推進されるという考えに凝り固まっているヘテロノーマティビティ(異性愛規範:すべての人が自然な役割をもつとされる性別のいずれかに属するとする)という規範は確かに存在するが、それがすべてではない。
ヘイウッド博士は、すべての男性が、社会的に非常に望ましいと認められた女性との間に子供をもちたいと思っているとは、必ずしも思えないという。その逆もしかりだ。
ジェンダーロール(性別による役割分担)の定義は徐々に崩れ、一部にとってはますます厳しい状況になっているようだ。
「男女が関係を始める方法が急激に変わっているということは、新たな男らしさの形が生み出されているということだ」とヘイウッド博士は言う。
「不安、傷つきやすさ、失敗は、大昔の男らしさの価値観と再び結びつけようとする先祖のメカニズムの結果ではない」
現代のデート模様は、昔、つまりわたしたちの曾祖父母の頃とはかなりかけ離れている。
現代では、ネットで出会う人たちの数は増加しているし、追いかける相手の選り好みも激しい。誰をデートの相手に選ぶか、自分をさらけ出し、愛を表現するそのやり方も多様化している。
References:springer / inverse/ written by konohazuku / edited by parumo