<東京暮らし(3)>変わり続けるGinza Sony Park (2/2ページ)

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どのフロアも街や外と隔てる扉がなく、街に開かれているのが特長で、例えば地下2階は地下鉄コンコースとつながっている。地下鉄を利用しようと移動する人たちから、ローラースケートを楽しむ人が見える、という不思議な光景が広がっているのだ。

もう一つの特長は、建物全体が、既存のソニービルの構造部分や意匠、素材を残しながらの「解体デザイン」であること。古い部分のどこをどう残すかを考えながらの「減築」でもあり、たとえば仕上げ材を剥がしてむき出しになったコンクリート打ちっ放しの壁、屋上にあったものを移動してレイアウトした「SONY」のロゴなどが格好いい。

地下2階のイベントスペースは、さまざまなテーマに沿った体験型のイベントで変わり続ける 地下2階のイベントスペースは、さまざまなテーマに沿った体験型のイベントで変わり続ける

そんな古くて新しいSony Parkの中を歩くうち、私は以前のソニービルでの体験を思い出していた。「ソニービルで」と言えば誰でもわかるので、30年以上の長きにわたり、銀座での待ち合わせによく使わせてもらった。他のビルやデパートは、用がなければ入りにくい、何か買わなければ出て来にくい雰囲気があるのに対し、ソニービルは用がなくても立ち寄り易い場所だった。

2020年秋までこの公園スタイルを続け、2022年、新ソニービルに生まれ変わるという。空き家が増え続ける日本で、都市の再開発とはどうあるべきかと問うているかのような、ソニーの実験、挑戦を感じた。

中島早苗今回の筆者:中島早苗(なかじま・さなえ)1963年東京墨田区生まれ。婦人画報社(現ハースト婦人画報社)「モダンリビング」副編集長等を経て、現在、東京新聞情報紙「暮らすめいと」編集長。暮らしやインテリアなどをテーマに著述活動も行う。著書に『北欧流 愉しい倹約生活』(PHP研究所)、『建築家と造る 家族がもっと元気になれる家』(講談社+α新書)、『ひとりを楽しむ いい部屋づくりのヒント』(中経の文庫)ほか。
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