天才テリー伊藤対談「宝田明」(3)3作目「ゴジラ」でいきなり主役に (2/2ページ)
テリー そりゃそうだ、周りがそれだと不安になりますよね。
宝田 そしたら守衛さんが「キミ、受験に来たんでしょう。とにかく入りなさい」と声をかけてくれてね。その守衛さんがいなければ、今の僕はないですよ。
テリー どんな審査があったんですか。
宝田 水着審査です。会場に入ったら50人ぐらいの受験生がいて、審査員には山本嘉次郎監督や黒澤明監督もいましてね。
テリー あ、黒澤さんもいたんだ。すごいなァ!
宝田 山本さんのチーフ助監督を務めていたのが黒澤さんですからね。で、水着姿で審査員の前を歩くんですけど、会場に着替えるところなんてないだろうと思い、家から安物の海パンをはいて行ったものですから、股ズレを起こしてしまい、うまく歩けなくて(笑)。その理由を話したらみんなにゲラゲラ笑われて、合格したんです。
テリー おもしろいなァ。ちなみに同期は誰ですか?
宝田 僕は6期生で、岡田眞澄、藤木悠、河内桃子さんですね。
テリー 錚々たるメンバーじゃないですか。
宝田 ところが、あの3人は正規に受験して入ってきたんじゃないんです。こっちは半年かかってやっと合格したのに、最終審査に無試験でいきなり、縁故で入って来てね。
テリー フフフ、まさに忖度ですね。
宝田 だけど、最初にポンと役をいただけたのは僕でした(笑)。「かくて自由の鐘は鳴る 福澤諭吉傳」という伝記映画でね。で、次に池部良なんかと青春ものに出て、それで「ゴジラ」ですよ。3作目で主役ですから、もう目玉が飛び出しそうなぐらい驚きましたね。