『新潮45』のここがひどい:ロマン優光連載118 (1/4ページ)

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『新潮45』のここがひどい:ロマン優光連載118

ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第118回 『新潮45』のここがひどい

『新潮45』の特別企画「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」に寄稿された小川榮太郎氏の論文「政治は『生きづらさ』という主観を救えない」。その文章の一部が切り取られる形でネット上で取り上げられ、氏に対して多くの批判が浴びせられています。論文の一部だけを恣意的に取り上げて批判するのは確かに良くありません。全文を繰り返し読み、深く考察を加えてから批判すべきです。全体を読み込めばわかるはずです。氏は痴漢擁護なんかしていません。LGBTの人々を犯罪者である痴漢と同様に扱うという侮辱的な表現、差別的な表現をしただけで痴漢擁護ではないのです。さらに読み込めばわかります。氏の論文が杉田論文擁護にすらなっていない、本当にトンデモないものであるということが。切り取られている部分が、その主張のおかしさが伝わってくるくらい、まだ何を言いたいかは意味がわかる程度にマトモな部分であったということが。
 私が小川氏を奇妙に感じたのは、今回の問題を性にまつわる問題であるという解釈をしているところ、もっとはっきり言えば性行為にまつわる話を延々と続けているところです。そもそも、この問題に批判的な人も、杉田氏を擁護する人も、杉田氏も、誰一人として性行為にまつわる話をしている人はいませんでした。それなのに、なぜか一人だけそんな話を……。まったくもって意味がわかりません。 言うまでもないことですが、性的指向と性的嗜好では意味が全く違いますし、小川氏が性行為にまつわる話をしていることから考えて、小川氏は意図的に性的嗜好という言葉を使っていたと考えるのが自然です。その区別がつかないような人が小林秀雄の研究をしているなんて、さすがにあり得ないとは思うのですが。
 LGBTの人たちの権利の主張を、性行為にまつわる話を人前でしていると解釈する小川氏。人前で性行為の話をするのはよくないという主張は時と場合によってはわかるんですが、誰もそんな話をしてないし。「人間ならばパンツは穿いておけよ」と言う小川氏。ようするに卑猥な話を人前でするのはやめなさいということなのでしょう。

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