ニュージーランド・ヘラルド紙が陸軍特殊部隊『NZSAS』の特集コンテンツを公開 (2/2ページ)
肉体と精神を極限まで切り詰めた「セレクション」を通過することに他ならない。例年、数ダースほどの若者がその門戸を叩くも、無事通過できるのはその内の限られたメンバーのみとなっている。
ヘラルド紙によると、「2013年からの4年間において、243名の志願者がいたものの、セレクションをパスできたのは僅かに31名だった」という。
志願者らは10日以上に渡り、肉体的・精神的、そして集団生活でのストレスを通じて自己の限界に立ち向かう。基礎体力錬成の一環で、タイム制限のある中ひたすら走り続けることから始まり、プレス&プルのフィジカルトレーニングを繰り返し、徹底的に肉体を鍛え上げていく。
障害物走、被服を着用した状態での水泳、35キログラムの負荷重量をまとって7キロメートルを1時間以内に走破することが求められる。これらはNZ陸軍の標準的なフィットネス試験でもあるとのことだが、時間制限が厳しく設定されるなど、より要求レベルが高められているという。
そして訓練が進むにつれて、食事・睡眠の制限が設けられ、日に日に志願者が脱落していく。
中でもセレクション課程5日目に実施される悪名高き「Exercise Von Tempsky」で志願者は、35キログラムのアーマーフル装備で、相棒となるライフルを携行しながら、20リットルのジェリカンを1つ、そしてもう1つを他の志願者と交互に持ちながら、沼地や砂丘といった足場の悪い地帯を延々24時間歩き続けるという苦行が待っている。
最終関門には、同じく35キログラムのアーマーフル装備を付けた状態でライフルを携行しながら、60キロメートルもの長距離を20時間以内に走破しなければならないテストが待ち受けている。
こうしたNZSASのセレクションは通常1年に2回おこなわれる。
セレクションを通過した隊員は「サイクル」と呼ばれる9ヶ月間に及ぶ訓練に臨む。ここでは、行軍やランニングといった基礎体力の錬成が続く他に、高度な応急処置、破壊工作、ジャングル戦対策、射撃、ランドナビゲーション、各種武器の取り扱いといった本格的なものを含み、休む暇もなく訓練がおこなわれ、規律と自立に欠けた人物を振るいに掛けるという。志願者の実に僅か10~15%しか残らず、それを耐えた者だけが卒業日にサンドカラーのベレーとブルーのベルトを受け取ることが出来る。
ヘラルド紙によると、「NZSAS創設からこれまでの63年間で9名の隊員が訓練で命を落とし、4名が作戦中に戦死している」とのこと。