フェイクニュースや意見の偏りがあるウェブサイトを見破るAIが開発される(米研究)
ネットメディアで事実確認をする作業はたいへんだ。
記載されている距離や数が正しい数値かどうか? きちんと引用されているかどうか? あるいは政府の出した声明の内容と一致しているだろうか?
無数に存在する似たようなサイトをくまなくチェックし、書かれていることが正しいかどうかをすべて確かめねばならないからだ。
こうした作業はこれまでも非常に重要であったが、フェイクニュースがそこかしこで伝えられている現在、その重要性はますます高まっている。
この難題を支援するために、米マサチューセッツ工科大学(MIT)ならびにカタールとブルガリアの研究所が共同して、事実確認の担当者を手助けするAIを開発した。
研究者によると、これはさまざまなニュースサイトで述べられている内容が正しいのかどうか自動的に確認するAIの開発へ向けた、大切な一歩だという。
・1066のサイトをAIで分析、65%~70%の精度で検出
研究チームは、このAIをトレーニングするために、まずメディアバイアス/ファクトチェックというサイトに掲載されていた1066のサイトを、記事のソース、ウィキペディアのページ、ツイッターアカウント、URLなどを考慮しつつ分析させた。
その結果、AIは65%の精度でサイトが伝えている事実の程度を予測し、70%の精度で意見の偏りを検出することができた。
なお、この実験ではウィキペディアの重要性が明らかになっている。ニュースサイトの信ぴょう性や偏りを知るために必要な情報が、そこにある可能性が高いからだ。
たとえば、米国の風刺記事を配信する「ジ・オニオン」について、ウィキペディアは一番最初に”風刺”と述べている。
また米国の保守系サイト「ドラッジ・レポート」について、ウィキペディアはやはり一番最初に”保守”と明記している。

・ウィキペディアが大きな判断基準に
さらにウィキペディアで扱われていないサイトは、信頼性が乏しい傾向にあったという点でも重要だった。
たとえば、8月にフェイスブックと某サイバーセキュリティ企業が、イラン発の世論を操作するためのフェイクニュースサイトがあると発表した。
そうしたサイトの1つが「リバティーフロントプレス」である。このサイトは”独立系”のメディアであると自称していたが、内容は新イラン的だった。
そして、このサイトはウィキペディアに説明ページがなかった。
・GoogleやFacebookでは既にAIを使った有害コメントの判定
こうしたAIを開発しているのはMITだけではない。
グーグルには「ジグソー(Jigsaw)」というコメントの有害性を判定するAIがある。またフェイスブックはミャンマーでのヘイトスピーチを食い止めるためにAIを利用している。
なおサイトの信ぴょう性を測る上で重要なソースは、記事自体にもある。
AIに50~150のニュースサイトを検証させた結果、きわめて偏りのあるサイトは、読者の感情に訴えようとすることが明らかになったのだ。
研究を行なったラミー・バリー氏によると、主流メディアや中堅メディアにくらべると、言葉遣いが違うのだそうだ。
バリー氏は、今回の研究でどのように解析を進めていけばよいのが明らかになったので、今後の研究で、AIの判定精度を上げていきたいと語っている。
via:popsci/ written by hiroching / edited by parumo