天才テリー伊藤対談「石川ひとみ」(1)この曲が最後でも後悔はしない、と (2/2ページ)
そう考えると、あらためて宝物みたいな曲に出会えたと思いませんか?
石川 ええ、本当にそう思います。この曲、私の10枚目のオリジナルシングルに当たるんですよ。
テリー ああ、10って聞くと、ひと区切りのタイミングだね。
石川 そうなんです。実はその頃、いろいろと悩んでいまして‥‥。デビューした頃はいろんな賞レースもありましたし、歌える場も多かったんですけれど、2~3年たつと少しずつ状況も変わってきて、応援してくれるファンの方以外に、なかなか曲が届かなくなってしまったんです。
テリー まあ、ヒット曲を出すのは大変だからね。
石川 それで中途半端な活動を続けるなら、そろそろ区切りをつけようと。自分の性格的にもこのままズルズル行くのは無理だろうな、と考えていたんですね。
テリー それは、歌手をやめるということ?
石川 はい。そんなタイミングに、「まちぶせ」という曲と巡り合いました。実はその時、他にも何曲か候補をいただいていたんですけど、「この曲が歌いたいです!」と自分から言いました。そういうことをスタッフの方にお願いすることも、実はその時が初めてで‥‥。
テリー よっぽどの決意があってのことだったんだ。それは、またどうして?
石川 もともと大好きな曲だったんですよ。高校生の時、私は渡辺プロダクション系列の「東京音楽学院」名古屋校に1年ぐらい所属していたんですけれど、その時のレッスン曲が「まちぶせ」だったんです。
テリー そうか、そもそも「まちぶせ」って、三木聖子さんのカバーなんだものね。
石川 そうです。初めて聴いた時に「なんてすばらしい曲なんだろう!」と感動して、その日にレコード屋さんへ走って買いに行って、毎日のように歌っていたんですよ。だから、その曲がシングル候補に挙がった時は「売れる」「売れない」なんてことはまったく意識していなくて、「この曲が私の最後の曲になるなら、もう後悔はしない」と思えたんです。
テリー 結果、三木さんを上回る大ヒットを記録することになる、と。ひとみさんの熱い思いも含めて、まさに運命的な出会いだったんだね。