今夜の金ローは「もののけ姫」!…とその前に、もののけ姫に出てくる”たたら場”のタタラとはどういう意味?
スタジオジブリの人気作品「もののけ姫」が10月26日に日本テレビ系列「金曜ロードSHOW」で放送されます。
もののけ姫のキャッチコピーは「生きろ。」中世の日本を舞台に、タタリ神に呪いをかけられてしまった少年アシタカが、呪いを絶つために旅立ち、村に辿り着きます。
エボシ御前が仕切るこの村は「タタラ場」という、鉄を作る村なわけですが、この”タタラ”という言葉は実際に古代から日本に存在した言葉で、意味も「もののけ姫」のストーリーと同様に製鉄のことを指し、「たたら製鉄」と言うように使われます。
今回は金曜ロードSHOWで「もののけ姫」を楽しむ前に、「たたら」について紹介したいと思います。
元来の「たたら」の意味とは?たたらは漢字では「蹈鞴」と書き、この言葉字体は日本書紀に見られるとても古い言葉です。後に「鑪」という漢字を用いることも見られるようになります。
たたらとは元々、製鉄において炉で金属を溶かす際に、温度を上げるために炉に風を送り込むための道具「ふいご [鞴]」のことを指していた言葉で、後々の文書などで、製鉄する現場全体のことを指して”たたら”と言われるようになりました。
ふいご
上記の画像は両手で空気を送り込む小さなふいごですが、「もののけ姫」でアシタカが村を見学する時に登場した、大人数で足踏みをしながら送風する大型のふいごもあります。
製鉄技術が継承されていく中でこのふいご(たたら)を使った製鉄方法自体を「たたら製鉄」と呼ばれるようになりました。そしてその製鉄を行う場所が「たたら場」なわけです。
日本でのたたら製鉄の歴史日本においてたたら製鉄が始まった時期については、近年の発掘作業においても製鉄遺跡が発見されているため、詳しくはわかっていないのが実情ですが、5〜6世紀あたりには既に炉による製鉄「古代たたら」が行われていたと見られています。
製鉄の原料には鉄鉱石が使われていた地域もありましたが、近代と同様に砂鉄を原料とする製鉄法がほとんどだったようです。
大板山たたら製鉄遺跡(江戸時代) Wikipediaより
当時から風を炉に送り込み炉の温度を上げ鉄を溶かす「たたら製鉄」のベースは変わっておらず、技術の進歩とともに大型のたたら場ができていったのでしょうね。
「もののけ姫」には古来から日本に伝わる言葉や伝承が多く登場しますので、何回も何十回も「もののけ姫」を見た人は、いつもとは違うポイントに注目してみると、新しい楽しみや発見ができるかも知れませんね。
日本テレビ系列「金曜ロードSHOW」で放送される「もののけ姫」は10月26日(金)21時から放送です。
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