世界初。人間の尿とバクテリアを使ってバイオ「レンガ」を作り出す事に成功(南アフリカ研究)
image credit: University of Cape Town (UCT)
南アフリカの大学院生たちが、人間の尿とバクテリアと砂を混ぜ合わせることで、レンガを作り出すことに成功したそうだ。世界初の成功だという。
レンガは通常、粘土や頁岩や泥などを型に入れ、窯で焼き固めたりして作る建築材料だが、この尿レンガに高温の窯は必要ない。
部屋の中で型に入れ、サクっと作ることが可能なのだ。
・レンガだけでなく化学肥料用の資源も生み出せる
このレンガは、ケープタウン大学(UCT)水質工学の准教授であるディロン・ランダル氏監督の元、スザンヌ・ランバート氏ら大学院生が、ケープタウン大学工学部の建物に特別に設計された男性用便器から尿を集め、それに砂とバクテリアを混ぜたものだ。
更にその生成の過程で、化学肥料に欠かせない窒素とカリウムが副産物としてできるという。
尿を利用してバイオレンガを作り出すアイデアはこれまでもあった。アメリカでは人工合成された尿素を使った試験が行われていたが、実際の人間の尿を使ってレンガを作り出すことに成功したのはこれが初めてだ。
World-first: Bio-bricks grown from human urine have been unveiled @UCT_news this week, signalling an innovative paradigm shift in waste recovery. Full story: https://t.co/iSjI9mn2c8 pic.twitter.com/Ogjpkx1v2l
— UCT Research (@UCT_Research) 2018年10月24日
・高温の窯で焼くことなくバクテリアに固めてもらうだけ
このバイオレンガは、「微生物炭酸塩沈殿」という自然界の反応を利用している。これは貝が貝殻を作る行程に似ている。
ウレアーゼ(尿素の加水分解を促す酵素)を生成するバクテリアが生息している砂と尿を混ぜると、ウレアーゼが尿素を分解し、炭酸カルシウムが発生、これが砂をセメントのように固める。
通常のレンガが、1400℃の窯の火で焼かなくてはならず、大量の二酸化炭素を発生させるのに対し、バイオレンガは熱をまったく必要としない。
レンガにより強度が欲しいなら、バクテリアの反応時間を長くして、より固くなるようにすればいいだけだ。バクテリアが反応する時間が長くなればなるほど、レンガは固くなる。

image credit: University of Cape Town (UCT)
・尿を丸ごと有効活用
人間から排出された尿は、特殊な便器を介してまず固形の肥料が作り出される。更に残った液体がバイオレンガとなる。尿全てが有効活用できるのだ。
ランダル氏は尿を"液体の黄金"と呼んでいる。尿は家庭排水のわずか1%以下だが、そこには窒素80%、リン56%、カリウム63%が含まれている。
尿に含まれるリンの大部分は、肥料の重要な成分であるリン酸カルシウムに変わるが、在庫が激減しているのだ。
「UCTでの研究がうまく進展すれば、持続可能な建材を作ることは十分可能だ」ランバートと共に研究を進める土木工学の奨学生、ヴクヘータ・ムクハリは言う。
これまで、ただの汚物として処理されていた尿を見直すべき時が来たようだ。ただしニオイはどうなるの?っていう話だが。
この研究は『Journal of Environmental Chemical Engineering』に掲載された。
References:news.uct/ written by konohazuku / edited by parumo