「白い巨塔」と田宮二郎〈猟銃自死〉の新事実(1)1分おきの「呼び出し電話」 (2/2ページ)
慌てて救急車を呼ぶと、5分で駆けつけるということでしたが、その5分は、30分にも1時間にも感じられました」
救急隊員がやって来たが、夫人の目には、ひどく鈍い動きに映った。いや、田宮を運ぶことなく引き揚げるような素振りにすら見えた。
夫人は怒鳴った。
「なぜ早く運ばないの! 早くして! あなたたちに何がわかるの! 急いで病院に運んで!」
賢夫人と呼ばれた人物と思えないほど苛立っていた。やがて付き人の連絡を受けた刑事もやって来て、すぐに首を横に振る。「即死」であるとの意思表示だった。
夫人はようやく田宮の死を受け入れる。それならば、一刻も早く田宮のそばに寄り添いたかった。
「なんで待っててくれなかったの! 生きると決めたんじゃなかったの!」
起きるはずのない田宮の体を揺すり、そう叫んだ。