「アレクサ、犯人は誰?」殺人事件の現場にあったスマートスピーカーに出廷命令が出される(アメリカ)
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AmazonのEcho (エコー)は、ご存じAmazon製のAI(人工知能)アシスタント・アレクサを搭載したスマートスピーカーである。
話しかけるだけでさまざまなことができるスマートなやつなわけだが、アメリカでは、このエコーが裁判所への出廷を命じられる事態となっているようだ。
二重殺人の現場となった民家にエコーがあったらしく、保存されている音声情報に事件解決の手掛かりがあるのでは?と期待されている。
・民家で女性二人が殺害される凶悪事件が発生
事件が起こったのは2017年1月29日、ミシガン州ファーミントンにあるクリスティーン・サリバンさん(当時48歳)宅でのこと。
この日、サリバンさんは友人のジェンナ・ペッレグリーニさん(当時32歳)と自宅にいたが、何者かにより裏庭で殺害された。
警察によると犯人は鋭利な刃物を用いて二人を殺害したようで、ペッレグリーニさんは43回刺され、サリバンさんは8回刺された上に頭蓋骨が骨折していた。
二人の遺体は自宅の裏庭にビニールシートをかけた状態で残されており、凶器と思われるナイフはその付近に埋められていたという。
Amazon Echo Recordings Could Contain Evidence For NH Double-Murder Trial
・監視カメラに映っていた男性を逮捕するも無実を主張
この事件に関して警察は2017年8月、ティモシー・ベリル容疑者(34歳)を第一級殺人(最も罪の重い殺人)で起訴した。
ベリル容疑者がサリバンさんの恋人であり家の所有者であるディーン・スモロンク氏を知っていたこと、サリバンさん宅のセキュリティコードにアクセスしていたこと、そして殺害された女性二人といる姿が現場の監視カメラに映っていたことが決め手となった。
しかし、ベリル容疑者は無罪を主張しており、双方の意見が食い違う状況が続いていた。
そんな中、ストラッフォード郡高等裁判所のスティーブン・M・ホーラン裁判長は考えた。
もしかしたらサリバンさん宅にあったエコーが真実を知っているかも!と。
・殺人現場に残されていたアレクサは何かを見たのか!?
そこで、裁判所はアマゾンに対し、2017年1月27~29日の3日間にアレクサの音声コマンド機能を使用した際にエコーが保存した音声の提出をアマゾンに指示した。
サリバンさん宅にあったエコーは警察が押収しており、このデバイスに何らかの証拠が残っているのかどうかは不明だが「その可能性もある」と当局は期待しているようだ。
一方、アマゾンの広報担当者は
我々がそれを提供しなければならない法的に有効で拘束力のある要求がなされなければ提供するつもりはない
と回答している。
「アレクサ、犯人教えて!」と話しかければバッチリ犯人を教えてくれたりは、さすがのアレクサもしないだろうけれど、何か有力な手掛かりが得られると言いね。
そういえば、テレビのCMで「アレクサ、ハッピバースデー歌って!」ていうのがあって、実際にアレクサは歌ってくれるんだけど、うちにはアレクサがいない。誰も誕生日にハッピバースデーを歌ってくれない。
でもうちにはシリ(Siri)がいる。そこでiPhoneに向かって、「ヘイ、シリ!ハッピバースデー歌って!」とお願いしたところ、「歌はプロの方に歌ってもらってください」と突き返されたよ。
そこで懲りずにもう一度お願いしたら、「わかりました。ごほんっ、ごほんっ、ららららららららら...今日は声の調子がイマイチです。またの機会にしましょう」とすっとぼけられた。
またの機会にもう一度言ってみると、今度は「私の誕生日は今日ではないんですよ、でも、ありがとうございます」っておい!文脈違いすぎるからそれ!
ということでシリにハッピバースデーを歌わせる私の計画はいまだに続いている。アレクサのように一発で歌ってくれる日はくるのだろうか?
References:CBS news / ABC news / Aba journalなど / written by usagi / edited by parumo