丸、巨人移籍で広島が狙うプロテクト漏れ 陽岱鋼「台湾マネー」②

週刊実話

丸、巨人移籍で広島が狙うプロテクト漏れ 陽岱鋼「台湾マネー」②

台湾利権獲得で人的、金銭補償

 丸の退団が決定した11月30日、広島の鈴木清明球団本部長は「(年俸が)高くても獲りに行く可能性が高い」と、意味深なコメントも発していた。リスト漏れする巨人のベテラン、移籍組には「複数年契約の途中」という選手も多い。それらの選手を指しての発言であり、広島が着目したのは、台湾出身の陽岱鋼(31)だ。

 「台湾では、日本のプロ野球が有料チャンネルで放送されています。そもそも、巨人が陽を獲得したのは台湾市場に興味があったからですが、パ・リーグの試合なら契約していれば全試合、好きにチャンネルを選択できるのに対し、後から参入した巨人の試合を見るには単独契約が必要です。それでも、巨人がそれなりの契約数を確保できたのは、陽が台湾で一番人気のある選手だから。その陽が試合に出ていないので、目下、巨人戦の契約数は頭打ち状態です。広島が陽を獲得すれば、台湾市場は確実に動きます」(同)

 鈴木本部長の先の発言には、様々な意味が込められている。「チーム功労者でも獲る」という巨人への宣戦布告はもちろんだが、やはり、丸の退団は痛かった。

 捕手だが打撃力の高い20歳の坂倉将吾のほか、メヒア、西川龍馬らにも丸と同じ外野の練習をさせているが、丸は6年連続ゴールデングラブ賞受賞者であり、今季39本塁打、97打点を挙げた攻撃の核だ。

 「丸は出塁率が高い。4割6分8厘は歴代4位タイ。選球眼もいい」(同)

 広島は次々に若手が出てくるが、丸クラスとなるとすぐには出てこない。陽は一発もあり、俊足強肩。広いマツダスタジアムに適応でき、坂倉らが一人前になるまでの時間稼ぎにもなる。

 しかも、台湾市場への収益拡大も望め、巨人の過剰な若手ガードは、むしろ好都合と言えそうだ。
「カープ女子は健在です。でも、すでに全国区となって久しく頭打ち状態。台湾市場は魅力的」(地元記者)

 丸の加入で出場機会が激減する陽にとっても、水面下でのラブコールは悪い話ではない。
「パ・リーグは’16年から台湾のTV局と3年契約を交わしました。日ハムが台湾のスター、王柏融の獲得に乗り出したのは’19年以降の台湾マネーを見越してのこと。巨人は陽に提示した年俸3億円を、台湾からの観戦ツアーでとっくに回収しています」(球団職員)

 広島は“台湾利権”を奪うことで巨人に報復する。来季の開幕カードとなった両球団の激突は、台湾でも放送されるという。

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