黒木華に二階堂ふみ『西郷どん』主役を食った妻たちの演技 (2/2ページ)
糸が追い詰められた西郷たちの陣地を訪れると、西郷は自分の覚悟を糸に語り始め……。
戦闘シーンも迫力があったが、「だんなさあが、西郷隆盛じゃなかったらどんなに良かったか」と、西郷に愛情を伝える糸の姿にグッときた。ツイッター上でも「黒木華さんの演技、光ってますね」「もう主役でいいんでないかい?」など、絶賛の声が相次いだ。『西郷どん』は激しい戦闘シーンやいかつい男たちの熱いやりとりも見どころだったが、家族ドラマ、もっというと「愛」を描いたドラマとしても優秀だった。この緩急のバランスが『西郷どん』の面白さだったとも、言えるのだ。西郷たちを見守った女性たちの描き方が実に丁寧であり、その配役も見事だったことは、最終回を前にあらためて振り返っておくべきだろう。
なにしろ西郷隆盛の妻3人が、そもそもすごいメンツなのだ。まず最初に結婚してすぐに別れてしまった橋本愛(22)が演じる須賀は、いきなりニュースになっている。出演はわずかながら、彼女の美しさと不器用な西郷への気持ちが「切ない」と、反響を呼んだのだ。
■『西郷どん』二階堂ふみが見せた新境地の演技
西郷が流された島で恋に落ち、2人目の妻となった愛加那を演じた二階堂ふみ(24)も、その怪演が話題になった。鈴木亮平をして「感性のバケモノ」といわしめるほど、二階堂の演技は見事だったようで、2人が海で抱き合いながら別れを決意するシーンは『西郷どん』名場面のトップ5に入る。艶やかさがあふれる愛加那は、演技派として知られる二階堂の新境地に思えた。
そして3人目の妻が、前述の黒木華だ。黒木が登場すると、今回のように涙を誘うことが多く、殺伐とした雰囲気を一変させる不思議な力を持っていた。『西郷どん』で女優、黒木華の評価がさらに高まったのは、間違いないだろう。妻が3人いた、という史実あっての配役ではあるが、この豪華で的確な3人のキャスティングが、『西郷どん』を支えていたと言っても過言ではない。
その糸とも涙の別れをした西郷隆盛も、最終回ではついに華々しく散る。西郷の最期の姿を見ながら、妻となった3人の女性を思い出してみてもいいだろう。(ドラマライター・半澤則吉)