森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★日本は人手不足ではない (2/2ページ)
東京の深夜帯になると、時給1500円を支払わないと、労働者が集まらなくなっている。それは世界的にみたらごく普通のことなのだが、経営者たちは、外国人単純労働者の受け入れを拡大することによって、それを最低賃金レベルに戻そうというのだ。
日本の正社員は、先進国と比べて賃金がひどく低いわけではない。低いのは、パート、アルバイト、派遣といった非正社員層だ。しかも、その中には正社員と同じ仕事をしているのに、賃金が半分以下という人が多く含まれている。私が知る限り、世界の中で同一労働同一賃金の原則を守っていないのは、日本だけだ。
また、正社員の平均労働時間の1972時間と同じ時間を、最低賃金の848円の時給で働いても、年収は167万円にしかならない。それでは、生活が難しい。日本が先進国の一員になるためにも、外国人労働者の受け入れをするのではなく、先進国並みの最低賃金を実現することが、人手不足解消の第一歩なのだ。