次世代タバコの現状まとめ for 2019・紙巻きたばこから卒業するための5つの選択肢【アイコス3/グロー/プルーム・テック/VAPE/ヴェポライザー】
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日本の3大加熱式たばこといえば、アイコス、グロー、プルーム・テック。中でも現在の加熱式たばこブームの火付け役となったアイコスが、2018年11月についにフルモデルチェンジを行なった。しかも2機種同時に。すでに紙巻きたばこ比率は前年同月比で3割減と発表された(日本たばこ協会調べ)こともあり、次世代タバコ製品へ大勢は移行しようとしている。そこで改めて次世代たばこの現状をまとめてみた。選択肢は主に5つ。アイコス3/グロー/プルーム・テックの加熱式タバコに、ノンニコチンのVAPE、自家製加熱式タバコ的な存在のヴェポライザーである。
■なぜ今、加熱式たばこがもてはやされ、紙巻きたばこが駆逐されようとしているのか
近年、紙巻きたばこはかなり吸いづらい世の中になってしまった。国土面積の狭い日本では、都市圏などでは煙を出す行為自体がもう難しいと喫煙者の記者は実感せざるを得ない。集合住宅でのベランダほたる族も上下左右の住民から苦情が来るし、駅周辺の喫煙所、コンビニエンスストア店頭の灰皿が次々と撤去されていくこの流れは、もう止めることはできないんだろうなと思う。
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実際、人々の煙に対する感性は鋭い。火=危険という自然の本能に根ざすのかもしれないが、何かが燃えているとすかさず反応してしまうのが人間だ。実際に火を弄ぶ喫煙は、危険といえば危険ではある。
■密集した都会で大きなリスクとなる「たばこの火の不始末」は火事の原因第2位
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また危険性に関しても、消防庁のデータ(平成30年)によると火災の出火原因第1位がたき火で、第2位をマークしているのが「たばこの火の不始末」だ。住宅火災では放火自殺者を除いた死者は572人。集合住宅の多い都会では、自身が喫煙者でなくても巻き込まれてしまうリスクもある。
コンロもたばこの次に多いのだが、マンションなどでは新築物件ではIHなど、火を使わないキッチンを採用するところも多い。そうなると、たばこが火災原因の主役に躍り出てしまう可能性も否定できない。
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さらに紙巻きたばこの問題に、副流煙がある。周囲の人間の健康リスクになり得るから問題になりやすい。
■生まれるべくして生まれた「火を使わない、煙の出ないたばこ」=加熱式たばこ
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そこで開発されたのが、「火を使わない、煙の出ないたばこ」。これが加熱式たばこである。「アイコス」はブレードと呼ばれる芯を内部に持ち、そこに専用ヒートスティックを挿すことによって燃え出さない限界の約300℃の高温で加熱する。グローも同様。プルーム・テックは現行品では一人我が道をいく低温加熱式たばこで、約30℃程度の加熱だ。
これらは全て火を使わないたばこ。火災の原因にはなり得ない。副流煙にしてもアイコス、グローが9割減、プルーム・テックは99%減をうたっている。しかも紙巻きたばこが常に煙を出し続けるのとは違い、吐いたときの呼気だけが副流煙となる。ニオイの問題もかなり低減はされており、煙と違って蒸気なので髪や服にはつきにくく、部屋のカーテンや壁紙もヤニがつくことはない。つまり現代の喫煙状況に適して進化せざるを得なかったのが加熱式たばこなのである。
■日本でVAPEを楽しむことは事実上の禁煙となる!?
また毎年、上昇し続けるたばこコストの上昇も問題だ。この場合は加熱式たばこに切り替えたとしてもカートリッジの金額は紙巻きたばこに準じるようになったので、ひと箱500円時代の影響をもろに被ってしまう。
そこで最初に取りざたされたのが、ノンニコチンでおなじみのVAPE(ベイプ)と呼ばれる本来の電子タバコ。海外ではニコチン入りが一般的だが、日本では個人輸入は別として、流通・販売が薬機法によって禁止されているので、フレーバーのついたノンニコチンリキッドを蒸気化して吸い込んで楽しむ、アロマやミントタブレットに近い楽しみ方の製品だ。
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エナジードリンクなど様々なドリンクの味わいをベースにしたものや、メンソールの強烈な風味のリキッドが人気で、たばこの害と言われるニコチンもタールも含まないので、VAPEを吸っている限りは事実上の禁煙となる。
普段からグローの強力メンソールタイプや、喫味の軽いプルーム・テックユーザーだと、実はそんなにニコチン感を欲している訳ではないと気づき、純粋に味と風味の好みで選ぶことで切り替えられてしまう人も少なくない。
ただ完全にニコチンを断ち切れる人ばかりではないようで、近年ではVAPEのドリップチップをプルーム・テックのたばこカプセルのサイズに適応させることで、ニコチン入りの蒸気を楽しむことができるタイプも増えている。
■コスト削減の意味合いも大きいヴェポライザーという選択肢
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加熱式たばこというと、日本ではアイコス、グロー、プルーム・テックの3機種しかなく、専用カートリッジを使用しなくては使えないと思っている人も多いと思う。お気に入りの銘柄がカートリッジに採用されず、がっかりした人も多いだろう。
しかしたばこ葉というのは、そもそも燃やさないでも200℃近くまで加熱すると、ニコチンは気化するもの。そこでヴェポライザーの登場だ。これは製品内に炉が仕込まれており、そこに短くカットした紙巻きたばこや手巻きたばこ用の刻みたばこ葉を仕込んで加熱して楽しむことのできるデバイス。
そもそもたばこ葉には少量ながら水分が含まれており、加熱するとニコチンを含んだ蒸気を生み出す。それを吸い込めば、アイコスなどに比べて蒸気量は少ないが、ニオイもほとんどなく、ニコチン由来の満足感を得ることが可能だ。
このヴェポライザーのすごいところは、コスト削減部分だろう。例えば一本の紙巻きたばこを4分割して吸うことができる。さらにそれぞれ2回ずつ吸うことも可能だ。これにより単純計算すると、3分程度×8回分を楽しむことができるのだ。これがたばこ代1/4だとか1/5と言われるゆえんである。機器代を追加したとしても、その削減ぶりは凄まじい。さらに好みの銘柄も全て吸えるというのも大きな魅力。
このたばこ葉は2度は楽しめるというのは、実はアイコスなどでも同じ。最後までたばこ葉の味を絞りきっているわけではなく、適当な頃合いで終わらせている。実際にヴェポライザーでアイコスのヒートスティックをカットして吸ってみるとわかるが、あと3分くらいはしっかりニコチン感も味も放出してくれる(ただ分解してみるとわかるが、ヒートスティックのたばこ葉部分は短いので、コスト圧縮は半分程度にしかならない)。
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さらに手巻きたばこ用に販売されているシャグという刻みたばこ葉を使用することで、コスト削減の余地はさらに大きくなる。平均800円程度で大きなたばこ店などで販売されているが、一回0.3g程度しか使用しないので、月にせいぜい3〜4袋程度でランニングコストが収まってしまう。せいぜい3,000円程度でたばこ代が収まってしまうので、その節約効果は大きい。
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体験としてはほぼ蒸気は出ていないのに、ニコチンがしっかり喉を蹴ってくる(スロートキック)のが面白い。調子に乗って吸いすぎるとクラッとくるくらいたばこ感は強力。そして味わえるのは、たばこ葉が本来持つ樹木ライクな味わいと香り。もちろんメンソールなどのフレーバー付きも数多くあり、有名どころではアメリカンスピリッツなどのシャグもある。現在日本では約130種類のシャグが流通しているそう。もちろん全くもって違法ではなく、合法なので念のため。
■紙巻きたばこからスイッチするための5つの選択肢、実際の機種の特徴を順に紹介!
■選択肢①『アイコス3/IQOS 3』『アイコス3マルチ/IQOS 3 MULTI』
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王道中の王道、2018年11月に『アイコス3/アイコス3マルチ』としてフルモデルチェンジを果たした加熱式たばこ(高温加熱式※約300℃)の代名詞・アイコス。その特徴は紙巻きたばこユーザーが切り替えても、吸い心地でしっかり満足できる深い喫味。アイコス、グロー、プルーム・テックの中でヘビースモーカーが移行する場合の第一選択肢となる。
しっかりスロートキック(喉への圧)があり、今まで弱点とされていた故障のしやすさ、連続使用の問題が解消された。ニオイは加熱式たばこの中では強め、俗にポップコーン臭と呼ばれる独特のニオイがある。カートリッジはヒートスティックで、マールボロブランド。先だっての値上げで500円代に突入した。まだテスト販売だが、30円安いヒートスティックブランド「HEETS」も地域限定販売されている。互換機も多く発売されているが、リチウムイオンバッテリーを使用しているので、信頼できるメーカーのものを選びたい。
■選択肢②『グロー/glo』
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専用カートリッジは細身のネオスティック。アイコスのように中心からではなく、外側からスティックを加熱するのが『グロー』(高温加熱式※約300℃)。細いぶん、喫味はアイコスよりは軽い。基本的に「KENT」ブランドの展開だったが、今年から加熱式たばことして開発された「neo」シリーズが加わり、きつめの喫味も楽しめるようになった。
「KENT」ブランドのフレーバーは強力なメンソール味が多いので、清涼感を好む人にとっては第一選択肢になる可能性は大きい。互換機は少ない。
■選択肢③『プルーム・テック/Ploom TECH』
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構造としては一番VAPEに近いのが低温加熱式(約30℃)の『プルーム・テック』。本体は実質バッテリーのみ。グリセリンなどの蒸気を発生させるカートリッジは専用たばこカプセルに同梱されている。たばこカプセル内部に粉状に仕込まれたたばこ葉が入っており、蒸気をそこに通すことでニコチンを気化させる方式。
喫味は弱いが、ニオイの無さはアイコス、グローとは比較にならないほど限りなく無臭。隣で吸っていても気がつかれないほどのステルスタイプ。そのシンプルな構造から、VAPEの吸い口(ドリップチップ)を対応のものに付け替えることで、プルーム・テックたばこカプセルに対応している機種も多い。
ただ蒸気を多く出す機器ではカプセルが湿って詰まったり、温度によってはカプセル自体が溶けてしまうリスクもある。
■選択肢④VAPE(ベイプ)
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基本的にはノンニコチンになってしまうが、普段から強力メンソールタイプのグロー、プルーム・テックユーザーなら移行できる可能性があるのが、VAPE(ベイプ)。フレーバーリキッドを内部コイルで蒸気化させて、それを吸い込むたばこデバイス。
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機器の洗浄などが面倒というのが弱点だったが、最近はメンテナンス・フリーのポッド型VAPE(交換コイルとリキッドがあらかじめ入っており、使い捨てで使用する)も増えてきた。
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また吸い口(ドリップチップ)を対応のものに交換して、プルーム・テックのたばこカプセルを使用できるようにしたものも多い。その場合でも、蒸気を発生させるためにリキッドを使用する必要がある。
普段から軽いたばこやメンソールフレーバーを愛飲しているグロー、プルーム・テックユーザーに適している。またたばこカプセルを持ち歩き、どうしても我慢ができなくなった時だけ装着してニコチンを補給するという禁煙補助的な役割で活用されることも多い。
■選択肢⑤ヴェポライザー
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たばこデバイスの中で、今最も熱いのがヴェポライザー。ちぎった紙巻きたばこや、手巻き用刻みたばこ=シャグを詰めて、加熱式たばことして使用できる製品。アイコスなどの加熱式たばこ有名組やVAPEのように豊かな蒸気は出ないが(たばこ葉にリキッドを垂らすことで蒸気を増やすことは可能だが、故障の原因になる可能性も)、たばこ本来の味わいを感じるなら最適。
それでいて使用するたばこ葉にもよるが、通常の加熱式たばこのようなニオイがほとんどないのも特徴。
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コストは紙巻きたばこを4分割することで1/4、それを2回ずつ吸うことで1/8まで圧縮できる(機器代別途)。シャグを使うとさらにコスパは良くなり、たばこ代は激減、デバイス代金も2ヶ月連用するくらいで元が取れる計算になる。
シャグで運用する場合、コスパはいいが持ち歩きして外で使うのは、たばこ葉を詰める行為が目立つため、使用しにくいという人も多かった。しかし別途スペーサー(事前にたばこ葉を詰められるステンレス製パーツ)を使用することで、持ち歩き時も気軽に詰め替え可能にできる。
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ただヴェポライザー運用では、コスパ最強と言いながら、シャグを使用するとなるといろいろ試したくなり、結局大量に買い込んで結構散財というパターンもあるので、注意が必要だ。シャグの味は様々で楽しいもの。葉を乾燥させないように密閉して保管したい。
■いろいろと風当たりの強いスモーキング・ライフ サバイバル大作戦
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もちろん選択肢の中には禁煙というものもあるが、至福の一服タイムをできることなら失いたくない人も多いはずだ(記者もそう)。なので紙巻きたばこが吸いづらいからといって諦めるのはまだ早い。いろいろな選択肢を考えて、この受難の時代を切り抜けたい。