血液から採取したDNAで体年齢を把握。健康な100歳以上の人は20代のDNA配列に似ている(英・伊共同研究) (3/4ページ)
このためにトランスポゾン(ゲノム上の位置を転移できる塩基配列)という通常は固定されている遺伝要素が逃げてしまったりと、だんだんときちんと機能しなくなってくる。
研究では、加齢によって、2つの一般的なトランスポゾンの最初にcfDNAシグナルが減少することも判明した。
このことは、不健康な100歳以上の人と70代の人では、これらトランスポゾンの固定が弱いために、ゲノムへのコピーが行われやすく、その結果遺伝的な機能不全が起きるらしいことを示している。

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・大規模研究の必要性
今回の研究ではイタリア国内のたった12人の被験者からしかcfDNAを採取していない。
したがって、今回判明したことが本当に生体年齢を知るマーカーとして相応しいものなのかどうか確かめるには、もっと大規模な研究が必要になる。
理想を言えば、2、30年かけてヌクレオソームに生じる変化やその速さ、ならびに被験者の体調、ライフスタイル、食事といった事柄を追跡調査したいところである。
このような長期的な研究調査の準備を進めつつも、現在研究チームは、cfDNAを血液から抽出する方法の効率化に取り組んでいる。
マウスを使った実験では、ティースプーン4分の1ほどの血液から十分なcfDNAを抽出することに成功している。
ネレッティ氏は、生体年齢を把握するためや、健康とエピジェネティックな変化との関係を知るためには、わざわざゲノム全体を解析する必要はないと考えている。