「二度と戻りたくない」居場所がない女性のための福祉施設で体験した、壮絶な女のバトル (2/2ページ)
でも、反対に言えば、年末年始も家族やそれに準ずる相手の家に外泊予定がないのであれば、そういう人は死ぬまで一生施設暮らしになる、といった噂がありました。私は多少無理を言って、年末年始は実家に外泊しました。外泊の際に『施設にいることが耐えられない』とありのままの現状を家族に話し、和解して、数ヶ月後に施設を退所して実家に戻ることができました」
A子さんのように、施設での生活が合わなかったという人もいれば、公共施設に救われたという人も当然いる。施設暮らしであることが一概にいい・悪いと決めつけることはできないが、一生施設暮らしとなると、想像を絶するものがある。平穏な暮らしを手に入れた今、A子さんは何を思うのか。
「施設に対しては何の恩も感じませんでしたが、実家や精神病院で生活するよりもひどい場所があると知ることができたことは、かえってよかったのかもしれません。『もう二度とあそこには戻りたくない』その一心で社会復帰し、結婚して自分の家庭を持ちました。施設にいたことは、私にとってまさに黒歴史です」
A子さんには実家があったからよかったものの、どこにも行くところがない人はどうすればいいのか。社会全体で考えるべき問題なのかもしれない。
文/浅利 水奈