飛行機からパラシュートで脱出すれば助かるのか?助からないのか?権威ある学術誌に掲載された研究によると・・・

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飛行機からパラシュートで脱出すれば助かるのか?助からないのか?権威ある学術誌に掲載された研究によると・・・
飛行機からパラシュートで脱出すれば助かるのか?助からないのか?権威ある学術誌に掲載された研究によると・・・


 飛行機は今にも墜落しそうだ。みるみる高度を失っている。あなたの目の前にはパラシュートがある。さあ、どうする?

 パラシュートを背負って決死のダイビングを試みるか?それとも背負わずに飛び降りるのか?果たしてパラシュートはあなたの命を救ってくれるのだろうか?


・パラシュートで飛行機から飛び降りる実験

 この研究は、医師なら読むべきとされる権威的な医学専門誌『BMJ』に掲載されたもので、23名を対象に飛行機からダイブする際のパラシュートの有効性について検証されている。

 被験者に飛行機から飛び降りてもらう実験を行い、半数にはパラシュートを装着し、もう半数には何も入っていないノース・フェイス製バックパックを背負ってダイブしてもらった。

 その結果、パラシュートは被験者の生死とはまったく関係ないことが明らかになったという。

 「この発見は、スポーツや軍事行動などで飛行機から飛び降りる際に、パラシュートの装着を推奨する見解に待ったをかけるものだ」と論文では述べられている。

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・あれ?ちょっと違和感が?

 あれ?ちょっと...っと思った人はいるかな?

 いくら科学のためとは言え、高速で上空を飛行する飛行機から飛び降りてくれと言われて素直に従うだろうか?実験の被験者となった人は正気かと。

 むろん、そんな酔狂な人は滅多にいない。

 だから研究者は、被験者にまったく動いていない飛行機のほんの数メートルのところから飛び降りてもらったのだった。

 このことは論文をかなり読み進めたところの小さな脚注のなかで触れられている。


・真の狙いは研究論文をちゃんと読んでいるかどうか

 小さな脚注に気が付けばこの研究は意味がないということがわかる。

 実は、この研究の真の狙いは、科学的な研究論文の読者がどのように内容を解釈しているのか浮き彫りにすることだった。

 本当の目的について、著者は「パラシュート実験は、無作為化比較試験の限界を皮肉るもの」と述べている。

 無作為化比較試験とは、予防や治療の効果を明らかにするために、参加者を治療などを実施するグループとしないグループにランダムに割り当て、実験による変化を比較するやり方のことだ。

 これは新しい治療・予防法の効果を評価するには必要不可欠な手法とされているが、今回の研究から分かるように、結果を正確に理解するためには、研究論文のタイトルや要約をざっと流し読みする程度ではダメだということだ。

 何かの記事をタイトルやほんの触りの部分を読んだだけで分かったつもりになってしまうような経験はないだろうか?

 記事が本当に伝えたいことは最後まできちんと読まなければ分からない。この研究は、情報を流し読みして分かった気になってしまうことへの警鐘なのだそうだ。

References:Study 'Proves' Parachutes Don't Save People Who Fall Out of Airplanes/ written by hiroching / edited by parumo
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