槍(やり)と矛(ほこ)の違いは何?その構造から見えてくる先人たちの創意工夫 (2/2ページ)
矛と槍の断面構造(違い)
歴史的には矛の方が古いようですが、これはかつて鍛造技術が未熟で、刃の根元を細く、長くしても折れないだけの強度を出すのが難しかったためと考えられています。
特に鉄が普及する以前の青銅では金属自体の強度も低く、槍よりも矛の方が造りやすく、より実戦向きだったのでしょう。
ただし、矛は槍より構造がやや複雑なため、それだけ材料が要る≒コストがかかる難点もありました。
また、両者の基本的な攻撃特性として、槍は刃が鋭利で刺突に適し、矛は刃が広く(厚く)、その重量を活かした斬撃に適しています(もちろん、例外もあります)。
やがて時代が進むにつれ、鎌倉~南北朝ごろになると、長柄武器の主流はすっかり矛から槍へと移り変わっていきますが、槍の中には、刃の接合部がソケット状に「先祖返り?」を起こす者もいました。
しかし、それでも矛ではなく袋槍(ふくろやり)などと呼ばれ、矛が再び戦場の主役に返り咲くことはありませんでした。
まとめ長い柄の先端に刃がついて、突くなり斬るなり叩くなりして敵を倒す。
槍も矛も、言ってしまえばただそれだけの武器(道具・手段)に過ぎませんが、それらがどのような構造(つくり)になっているのか、なぜそうなっているのかなど、そんなところにも目を向けてみると、先人(作り手)たちの創意工夫や、生き残りを賭けた必死の情熱……そんなロマンが見えてくるかも知れません。
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