スチームパンクなロマン。蒸気機関を利用した宇宙船の開発に科学者が本気を出し始めた(米研究)

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スチームパンクなロマン。蒸気機関を利用した宇宙船の開発に科学者が本気を出し始めた(米研究)
スチームパンクなロマン。蒸気機関を利用した宇宙船の開発に科学者が本気を出し始めた(米研究)


 未来の宇宙船の動力は、もしかしたら意外なものになるかもしれない。
 ――そう、蒸気だ!

 いや、真面目な話だ。人類が初めて宇宙に飛び出してから半世紀が経ったが、宇宙旅行はついに蒸気の時代へと移行しつつあるようだ。

 アメリカの研究者らは、星々から燃料を吸収しつつ宇宙を旅する、蒸気式の小型宇宙船の開発しているのだ。

・小惑星などから水や燃料を補給して永遠に旅をする蒸気宇宙船
 
 アメリカ・セントラル・フロリダ大学はハニービー・ロボティクス社と手を結び、星々から燃料を吸収しつつ宇宙を旅する、蒸気式の小型宇宙船の開発している。

 宇宙船は電子レンジくらいの大きさで、ときおり小惑星、惑星、衛星などに着陸して、水や燃料を補給するよう設計されている。

 こうすることで、理論上は銀河に散りばめられている惑星から惑星へと旅をすることができるのだ。

 開発チームによると、この技術を利用すれば、月、セレス、エウロパ、タイタン、冥王星、水星、小惑星などといった、水が存在し、また十分に重力が小さな場所を結びながら飛び回れるだろうという。

 それどころか、この自給自足型の宇宙船ならば、永遠に宇宙を探索し続けることだって可能かもしれない。

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・宇宙船の名は「World Is Not Enough(WINE)」

ちなみにその着陸機は「World Is Not Enough(ワールド・イズ・ノット・イナフ:世界は不十分)」の頭文字をとって「WINE」と呼ばれている。

 ワールド・イズ・ノット・イナフと言えば2000年(アメリカでは1999年)に公開された007シリーズの映画のタイトルだ。

 研究者らは最近、小惑星を模した表面を使って、そのプロトタイプの実験を行った。

 実験では小型ドリルで小惑星モデルに穴を開けて水を補給。それを蒸気ロケットに注入して、自力で空中へ向けて発射することに成功した。

 蒸気宇宙船と聞くと、歯車とボルトで仰々しい、サビだらけのスチームパンク風ビークルを想像してしまうが、WINEが採用するテクノロジーはずっと高度なものだ。

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蒸気宇宙船WINEのプロトタイプ image credit:University of Central Florida

 3年の開発期間を経て開発された新型蒸気推進コンピューターモデルは、周囲の重量の変化に応じてきちんと機能できるようWINEを最適化する。

 またソーラーパネルを内蔵して、これによって掘削オペレーションに必要となる最初のエネルギーを供給することも考えられる。


・現在はパートナー募集中

 初期実験の成功はWINE開発プロジェクトにとって大きな弾みとなるだろう。しかし、宇宙空間で実際に試せるようになるまでの道のりはまだまだ長い。

 NASAもこの自給自足型宇宙船の価値を認めており、プロジェクト初期段階で資金援助を行った。
 

 そして現在研究チームは、WINEを実験室の外に持ち出し、さらには宇宙での実験を成功させるために、新しいパートナーを探している。

References:Steam-propelled spacecraft prototype can theoretically explore celestial objects "forever"/ written by hiroching / edited by parumo
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