〈企業・経済深層レポート〉 2019年は業績上昇 旅行業界に吹く10連休GWの追い風 (2/2ページ)
「沖縄や北海道など人気国内旅行先は、すでに例年の2.5倍の予約が入っていますが、ほかの国内旅行先はこれからが本番。ただ、例年より出足は早くなっているため、早めにご予約したほうが無難でしょう」
年明け早々、追い風が吹いた旅行業界。しかし、今年の旅行ブームは、GWの10連休以外の要因も大きいようだ。
「今年の9月から11月にかけて、北は札幌、南は熊本まで、12の都市でラグビーW杯が開催されます。これも旅行業界が好調の要因になっています」(旅行業界関係者)
JTBが昨年末に弾き出した今年の国内外の旅行者数の見通しは、国内旅行、海外旅行ともに増加と予測した。
その内、国内旅行者数は2億9090万人で前年比プラス1.5%。海外旅行者数は、過去最高の1910万人で対前年比プラス1.1%。そして、訪日外国人旅行者数も対前年比12・3%プラスの3550万人(過去最高)と予測している。
経済アナリストは旅行業界の未来を、こう分析している。
「昨年の訪日客数は史上初の3000万人を突破。そして今年は3000万人台半ば、来年は東京五輪やパラリンピックが開かれ、4000万人突破が見え始めています。ただ、訪日観光客が増えても、消費額は昨年で約4兆4000億円でした。今年は5兆円前後と予測しています。つまり、2020年の政府目標である8兆円は、現状では厳しい可能性が高いですね」
好調に見える旅行業界だが、不安要素もあるようだ。
さらに別の経営アナリストは、こう指摘する。
「GW期間のツアーが軒並み売れているといっても、それは一部の人たちの話です。大多数の非正規雇用や日雇い労働者の人たちにとって、10連休は収入減につながってしまいますからね」
非正規の従業員は2017年で2036万人。被雇用者に占める非正規の割合は約37%で、依然、高止まりしたままである。
「この数字は2019年も改善するとは思えません。この人たちに長期休みのしわ寄せがどういくのか。収入減なら、その後の消費全般の落ち込みにもつながりますからね」(前出・経済アナリスト)
その結果は半年後には出るだろう。果たして、長期の休暇は日本経済にとって吉と出るか、凶と出るのか。今はまだ誰も明確に読めていない。