昔話の「鬼婆」は実在した?安達が原の鬼婆伝説に隠された悲しすぎる物語とは? (2/3ページ)

Japaaan

しかも恋衣は、岩手が待ちに待った妊婦です!岩手がどのように殺してやろうかと思案していたその夜、恋衣が産気づき、しめたとばかりに岩手は生駒之助に産婆を呼びよう、つかいに走らせませす。

岩手は出刃包丁をふるい、苦しむ恋衣の腹を割き生き肝をとりました…。

しかし、恋衣は断末魔のきわに明かすのです。「幼い時京都で別れた乳母を探して旅をしてきたのに…」と。そして息をひきとります。

岩手が驚いて恋衣をみるとお守りが目にとまります。それは岩手が旅立つ時、姫に渡した物だったのです。

なんと手にかけた女性は実は何年も無事を願っていた姫その人でした。その姫に渡すために肝は、岩手の手にあります。

こんな悲しい結末ってあるでしょうか。

安達がはらひとついえの図(月岡芳年、明治18年、国立国会図書館より)

岩手はあまりの驚きと悲しみに気が狂い、そのまま鬼と化してしまいました。以来、宿を求めた旅人を殺し生き血を吸う「安達ケ原の鬼婆」として広く知れわたることになります。

鬼婆は阿武隈川のほど近くに埋められ、その塚は「黒塚」と呼ばれるようになりました。安達ヶ原の観世寺には、鬼婆の住家であった岩屋、出刃包丁を洗った血の池などが残っています。近くの老杉のねもとには鬼婆の墓「黒塚」もあります。

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