森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★原発に経済合理性はない (2/2ページ)
現に、東芝の米国子会社で進めていた原発建設は、すでに一昨年に経営が行き詰って清算され、三菱重工がトルコで進める原発建設も暗礁に乗り上げている。日本の原発輸出は、完全崩壊の状況だ。
そうした中、日立の会長でもある経団連の中西宏明会長は、原発技術を守るため、国内原発の再稼働推進を訴えている。しかし、それは時代錯誤の提案だ。もはや世界が見放した“高コスト”の原発を国内で守る必要はどこにもない。
私は、日立は原子力事業を、廃炉事業に特化すべきだと思う。幸か不幸か、日本には廃炉にできる原発が50基も残っている。それを次々に廃炉にしていくだけでも、数十年は飯が食えるはずだし、今後、世界で廃炉が進んでいくだろうから、廃炉の技術こそ、世界に売れる技術になっていくはず。ただ、日本政府は、いまだに原発を推進しようとしている。それは、国民を原発事故のリスクにさらすだけでなく、国内の電力料金の高騰を通じて、日本の国際競争力を脅かす愚策だ。