『ハケン占い師アタル』志尊淳の表情にくぎづけ! 色気がダダ洩れすぎる!
ドラマ『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)が面白い。
同作は、占い少女だった過去を持つ主人公の派遣社員・アタル(杉咲花/21)が、派遣先のイベント会社の正社員たちの悩みや葛藤を「見る」ことで解決するというお仕事コメディ。毎話ごとに違う主人公が、心のウミを落とすことでポジティブになるという痛快なストーリーになっている。
1月31日に放送された第3話では、入社1年目の品川一真(志尊淳/23)が主人公。直属の上司である上野誠治(小澤征悦/44)のパワハラ指導に耐えかねて爆発するのだが、その表情の変化が色気たっぷりだった。
第1話と第2話での品川は、仕事に無気力・無関心で、上司の上野から何を言われても言い返さないし、仕事後に飲みに行ってもスマホばかり見て話に入ってこないようなところがあった。第3話になって、やっと爆発した!と安心したのだが、その背景には深い理由があった。
品川は、声優を目指す彼女と同棲しているのだが、彼女はオーディションを受けるなど夢に向かって前向き。また品川は、大学時代に演劇サークルで一緒だった同級生がSNSにアップする、明るい表情で芝居をする写真を見ては、過去を振り返ってばかりいた。
自分の仕事環境に不満を持ち、上司からの叱責に息苦しさを感じ、投げ出して逃げたい気持ち……。そう、会社で仕事をしていれば誰にだってあることだ。
ましてや、品川は、社会人1年目。彼女にそっぽを向かれ、大学の同級生もキラキラと充実しているのを見たら、自分だけが取り残されたような気持ちになるだろう。品川を見ていると、かつて経験したことのある、あの苦い気持ちがじわじわと胸の奥に広がっていき、同情してしまうのだ。
これを志尊淳は、セリフではなく、芝居で、表情で、見せてきたのだが、なんだか色気がすごくないか……?
疲れているときや、つらさに耐えているときって、目に力がなくて気だるい雰囲気になる。まさにそれ。品川を通して、志尊淳が放つ魅力に圧倒されてしまった。
そして、そんな品川が、とうとうブチ切れた。メールで会社を辞めると宣言し(メールなところがイマドキ風)、家にまで迎えに来た同僚にも不平不満をぶつける様子は、抑えていた感情があふれていて、止まらなくて……。
でも、言いたいことを吐き出しているのに、全然すっきりした表情ではなくて。もうここまでくると、なんだか切なくなってくるんだなあ……ずぶ濡れの犬みたいで、放っておけない。
ねえ誰か何とかして! お願いアタルちゃん! そう言いたくなったのは、前回、前々回でアタルに解決してもらった神田和実(志田未来/25)や、目黒円(間宮祥太朗/25)だけでなく、視聴者も同じだ。そして、品川がアタルに「見て」もらえるようお願いすることになるのだ。
■志尊淳が放つ魅力と、独特なキャラをモノにするすごさ
そしてアタルの占い後に登場したのが、放送前にリリースされ話題になった志尊淳による「女装」である。
女子よりも、女子。肩を小さくして傘を持つ姿は、たたずまいからして女子らしい。あの無気力だった品川が、前向きな気持ちに脱皮した瞬間なのだが、まさかの女装にメーター振り切った感がたまらなく心地よかった。この芝居の幅広さが、志尊淳の魅力でもある。
最近では、昨年のNHK朝ドラ『半分、青い。』で、主人公とともに漫画家を目指すナルシストな美少年を演じた志尊淳。彼は、不思議な役が多い。そして、どれもキレイにはまっているのだ。
2017年の『きみはペット』(フジテレビ系)では、キャリアウーマンに拾われたヒモ男で実は有名なバレエダンサーという役で、かわいいとカッコいいのギャップで視聴者を翻弄。昨年1月に放送されたドラマ『女子的生活』(NHK)では、トランスジェンダーで心は女性、恋の対象も女性という難しい設定を演じ、昨年1月クールのドラマ『トドメの接吻』(日本テレビ系)では、主人公の後輩ホスト役で、命を以って自分のものにしようとするストーカー的な好意を持っている男を演じた。どれも、クセが強く複雑な設定の役ばかりだ。
それでも、自分のものにしてしまう魅力と芝居のうまさがある。
昨年は、オリコン発表『2018年上半期ブレイク俳優(男優)ランキング』で1位を受賞するなど、評価も高い。今回演じる品川は、現状に満足いかないイマドキの新入社員の苦しみと葛藤を演じており、本人と年齢的にも同じ世代の会社員役だが、これも見事に演じている。
現状を変えたいと思った品川が、アタルに見てもらうことで、仕事に前向きになり、これで苦手な上司の上野ともうまくやっていけるといいな……そんな終わり方だった。
2月7日に放送される第4話では、品川にパワハラ気味に接していた上司の上野がフォーカスされるようだ。自信家で、仕事大好き人間の、上野の悩みとは何か? 自信のある仕事なのに、思うようにいかずヘコむ事態になるようだが、いったい何があったのか? 仕事しか生き甲斐がないように見える上野の本質を、早く「見て」みたい。(ドラマライター・木村麻子)