〈企業・経済深層レポート〉 イオンが仕掛ける業界再編 淘汰が加速する地方スーパーの苦悩 (2/2ページ)
2019年には、大手ディスカウントストア「ドン・キホーテ」が、中部地方を地盤とする総合スーパー「ユニー」の株式を全取得して完全子会社化した。ユニーの既存店舗のうち、約半数をドン・キホーテとの合併店へと転換し、落ち込んでいた集客力を立て直す。
こういったスーパー業界の再編の嵐に、地方スーパーが手を携えて防御姿勢を強めたのが冒頭の「新日本スーパーマーケット同盟」なのだ。
再編が進む業界ではあるが、孤軍奮闘する地方スーパーも存在する。日本生産性本部サービス産業生産性協議会の「顧客満足度指数 スーパー部門」(2018年度)にて、8年連続で1位となったのは神奈川などの一都三県を中心に112店舗を展開する「オーケー」だ。大手総合スーパー、地方スーパーが軒並み苦戦して他社と協力して乗り切ろうとする中、オーケーの2018年3月期決算の売上高は、約3573億円となり、31期連続で増収となっている。
「オーケーの大きな特徴は『エブリデイ・ロープライス』を掲げていることです。これは、特売期間を設けず、いつでも同じ低価格で販売するというやり方です。また、地域一の安さを目指しているため、地域競合店の売価を調査している。さらに他店でオーケーより1円でも安い商品があったと客から指摘を受けた場合は、その値段よりも安くしてくれます」(業界関係者)
オーケーの魅力は、価格面だけではない。
「『オネスト(正直)カード』と呼ばれるPOPを用意しています。これには、『長雨の影響で、レタスの品質が普段に比べ悪く、値段も高騰しています』といった正直な情報を記載して、お客に知らせています。こういった実直な面も支持される理由です」(同)
しかし、オーケーのような例はまさにレアケース。再編の流れに乗れず、淘汰される地方スーパーの方が圧倒的に多い。
例えば、2017年には山梨県に本社を置くスーパーマーケットの「やまと」、昨年は愛媛の「サニーTUBAKI」、同じく愛媛のスーパーマーケット「ヤマサンセンター」など地方の中堅スーパーが、ここ数年で経営破綻や経営再建に追い込まれている。
「大手に組み込まれる地方スーパーはまだマシです。それ以外の余力がないチェーンスーパーは、かなり厳しいと思いますよ」(前出・流通業界関係者)
再編が進んだことによって、地方スーパーの淘汰はさらに加速しそうだ。