森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★トリコロールのハゲタカ (2/2ページ)
投資の自由化に関するEUとの交渉がこう着状態になっているのは、企業が進出先の政府を訴えることのできるISD条項の導入を主張している日本政府に対して、EU側は進出企業による国家ルールへの干渉を懸念して、政府側が裁判官を選任する常設の「投資裁判所」制度を提案して対立しているからだ。つまり日本政府のほうが、ハゲタカ寄りの制度を提案しているのだ。
さらに最近の安倍政権は、海外からゼネコンがやってきたときに便利なように、入管法改正で外国人単純労働者の利用を可能にしたり、水道法改正で水道事業の民営化を可能にしたり、「ハゲタカさんいらっしゃい」政策を強力に推し進めている。
米国のハゲタカは不良債権処理から生まれた獲物で腹を満たし、帰国した。しかし、今度はトリコロールのハゲタカだ。もしかしてこちらの方が恐ろしいかもしれない。彼らはしっかり食いつき、血を吸い続けるドラキュラタイプだからだ。