「いだてん」第8話振り返り。「天狗倶楽部」メンバーのおさらい!野球に関わった人物が多い?

「いだてん」第8話が放送されました。
前回7話の振り返りはこちら。
「いだてん」第7話振り返り。三島家と乃木希典とのつながり「ボーイスカウト」は乃木大将が持ち込んだ?四三の兄・実次が工面した1800円の大金を持って上京し、ストックホルムに旅立つ弟を讃えて送るというストーリーでした。四三と実次の兄弟愛も感動でしたが、もう一人のオリンピック出場者・三島弥彦サイドもすれ違っていた母とやっと心を通わせるというラストシーンが感動的でしたね。
彼らを見送りに来たのは家族だけではありません。毎度おなじみのことながら、三島弥彦が所属するスポーツ同好会の天狗倶楽部の面々の登場はド派手ですよね~!「チャラい」という言葉は当時なかったでしょうが、今の視聴者はあの天狗倶楽部を見ると「チャラい」「ウザい」と思う人が多いようです。それもまた天狗倶楽部の良さでもあります。

天狗倶楽部/Wikipediaより引用
三島弥彦については言わずもがな。元警視総監を父に持ち、兄はのちの日銀総裁というスゴイ家に生まれたお坊ちゃんということはわかっていますね。では、他のメンバーはどんな人物だったのか。ドラマに登場する天狗倶楽部のメンバーについておさらいしてみましょう。
乃木希典と並び称される「将軍」!?吉岡信敬まず一人目。満島真之介が演じているのが吉岡信敬(よしおかしんけい/のぶよし)です。早稲田大学のOBで、主に野球の応援隊長として活躍した人物でした。もともと早稲田中学校時代に野球部に在籍していましたが、どうもスポーツをやる才能はあまりなかったようで……。それでもスポーツ愛があったので、応援に精を出したのでした。
あらゆるスポーツの応援をしていた信敬は、「虎鬚彌次将軍」と呼ばれるようになります。特に軍に所属していたわけではないのですが、この名が全国まで知られるようになり、なんと乃木希典、葦原金次郎に並んで三大将軍と呼ばれたのだとか。ものすごい人気だったようですが、行き過ぎた応援のせいで早慶戦が20年近く中止になる原因を作った張本人でもありました。
天狗倶楽部の主催者・押川春浪はSF小説の第一人者武井壮が演じている押川春浪(おしかわしゅんろう)は、彼らの所属する「天狗倶楽部」の主催者でした、三島や吉岡よりだいぶ年上で、ドラマスタート時の時代にはすでに作家として活躍していました。冒険小説を取り上げる雑誌『冒険世界』を刊行した人物でもあり、この雑誌上で天狗倶楽部の活動など、スポーツの盛り上がりを大きく取り上げたことで、スポーツ振興に貢献しました。
彼の弟・押川清(おしかわせい)はアマチュアの野球選手でしたが、日本初のプロ野球チーム創設者として知られています。
文芸評論家であり京浜電鉄の社員・中沢臨川近藤公園演じる中沢臨川(なかざわりんせん)は、当時京浜電鉄の社員で、あの羽田運動場の建設に関わった人物です。学生時代に文学に熱中するも、大学の専攻は電気学。鉄道会社で技師として働く傍ら、小山内薫らと文芸同人誌『やまびこ』を創刊するなど、文学にも関わり続けます。文豪・国木田独歩ともこのころに交流が始まりました。
文学一辺倒なのかと思いきや理系でもあり、スポーツ同好会「天狗倶楽部」の幹部でもあった。さまざまに活躍した人でした。
また、実家の塩沢家はあの養命酒の製造元。地元長野では名家でした。ちなみに弟の塩沢幸一は海軍大将でした。
ただの遊び人たちではなかったドラマでは騒いで裸になってビールを飲む、リア充・パリピの権化のようなメンバーですが、ものすごい肩書を持つ人たちばかりです。それぞれ実家も名家が多く、ただそこに胡坐をかくだけでなく、スポーツや文芸で大いに貢献していたのです。
いだてん~東京オリムピック噺~日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan