世間を震撼させた“凶悪殺人犯”と「獄中面会」(1)<植松聖>相模原・障害者施設19人殺害 (2/2ページ)
「自分は遺伝子が優れてないので、子孫を残したい意欲があまりないんです」
ある日の面会中、植松はそう言った。なぜ、そう思うのかと聞くと、「人間って見た目だと思うんで」と答えた。植松の見た目は、飛び抜けてハンサムでもないが、客観的に見て標準以上だろう。しかし、植松本人にしかわからない美の基準があるらしい。
〈私が美しさにこだわるのは人間として当然の本能で、それを理解しているかどうか、声に出すかどうか、だと思います。皆様がどうして声に出さないのかと言うと、現実をみないブサイク達が「優性思想だっ!!」と、トンチンカンな因縁をつけてくるからです〉(17年11月20日付手紙)
こうして話を聞くと、植松は、自分の美の基準に合わない人間にも強い差別意識を有していることがわかる。口にするのもおぞましいが、植松が障害者を差別するのも、実は何より障害者たちの見た目に、身勝手な偏見を抱いているからではないか。
いずれにせよ、植松の犯行を正当化できる余地は微塵もなく、適用される刑罰は死刑しかありえない。
事件から3年近くになるが、裁判の日程はいまだ未定だ。
片岡健(ノンフィクションライター):1971年生まれ。新旧さまざまな事件を取材しているノンフィクションライター。新刊「平成監獄面会記 重大殺人犯7人と1人のリアル」(笠倉出版社)を上梓したばかり。