2度の銃弾を受けながらも犯人確保に尽力し、殉職してしまった警察犬(K9)の追悼式(アメリカ)

カラパイア

2度の銃弾を受けながらも犯人確保に尽力し、殉職してしまった警察犬(K9)の追悼式(アメリカ)
2度の銃弾を受けながらも犯人確保に尽力し、殉職してしまった警察犬(K9)の追悼式(アメリカ)


 先月初め、アメリカのテキサス州で営まれたK9の追悼式が現地メディアで大きく取り上げられた。

 そのK9は今年1月末に現場で殉職したチャッキーという4歳のベルジアン・シェパード・ドッグで5歳の誕生日を目前にしていた。
 
 彼はあたりかまわず発砲する危険な容疑者の鎮圧にかかり、容疑者が撃った2度目の銃弾で絶命したのだ。
 
 防弾チョッキ無しで容疑者に立ち向かい、致命傷を負いながら確保を続けたチャッキー。

 最期までK9であり続けたチャッキーとのお別れに何百人もの参列者が訪れ、安らかな眠りに祈りを捧げた。
 

K-9 Chucky laid to rest

・武装した容疑者の確保中に殉職

 事件の発端は1月25日の夜、警察に追われた38歳のマシュー・レイズ・ ミラレス容疑者が、テキサス州ベア郡でカーチェイスを始めたのが始まりだった。

 彼は警官に何度か銃をぶっ放し、自分自身や周囲の市民、頭上のヘリコプターにも狙いをつけた。そこで当局はチャッキーの介入を決断した。

殉職したK9のチャッキー
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image credit:Bexar County Sheriff's Office.

 チャッキーは銃で撃たれて致命傷を負っても、容疑者に噛みついて確保した。

 その間の容疑者は警官に撃たれても発砲をやめず、2度目の銃弾を受けたチャッキーは痛ましい死を遂げた。


・現場の判断で防弾チョッキ無しで確保に

 K9は人間の警官と同じように防弾チョッキを身に着けるが、この日のチャッキーはなにも着けていなかった。

 大切な装備をなぜ使っていなかったのか。当局は以下のように説明している


 チャッキーは支給された防弾チョッキを持っていました。しかしその時は装着できませんでした。

 警察犬用の防弾チョッキは常時身に着けられるものではありません。犬にとっては暑すぎたり、負担になって疲労を招くこともあるからです。この装備はあらかじめ計画した作戦の時に着用するものなのです。

 今回の確保は事前に計画されたものではなく、容疑者の致命的な行動が一般市民や警官を巻き込み、差し迫った死や重傷者を招く恐れが生じたため現場で判断したものです。

 この時、K9チャッキーのハンドラーは、一般市民の命を奪いかねない武器を持った容疑者の追跡に熱心に従事していたため、チャッキーにチョッキをつける機会がありませんでした。

 事態は一刻を争う状況で、容疑者を速やかに阻止するには直ちに行動を起こす必要がありました。


・みんなを救ったチャッキーを忘れないで

 チャッキーは自らの尊い命と引き換えに危害を加える者を捕まえた。ミラレス容疑者は複数の容疑で起訴されているという。

 そして2月4日に殉職したチャッキーの追悼式が営まれ、大勢の参列者が彼を偲び、祈りを捧げた。



 チャッキーのハンドラーだったケビン・ラスムッセン警察官は、こみあげる深い悲しみと抗うように生前のチャッキーの卓越した集中力を讃え、過去の功績を振り返る弔辞を述べた。

 「彼は地域のために多くのことをやり遂げ、大勢の命を救いました。どうかチャッキーのことを忘れないでください」


・チャッキーはヒーロー。10歳の少年のお悔み

 悲しみに沈む教会の空気を少しだけ和ませたのは、ラスムッセン警察官の息子でチャッキーと仲良しだった10歳のジョセフ君のお悔やみの言葉だった。生前のチャッキーはラスムッセン家で暮らしていた。


Joe Rasmussen reads a touching tribute to BCSO K-9 Chucky


 「チャッキーは家族の一員で、僕は彼を愛していました。僕はチャッキーの訓練を手伝ったり、父にいわれてチャッキーのうんちを拾ったりしました。あと、僕がうんちと言ったらチャッキーがうんちしたりして、うんちだらけになったこともあります!」

 そこで彼は少し笑顔を見せ、参列者の笑い声の後にこう続けた。

 「神は私たちに赦しを教えています。僕はチャッキーを奪った男を赦します。でもチャッキーのことは絶対忘れません…彼はヒーローです」


・勇敢なK9チャッキーに最敬礼

 2時間にわたった追悼式には何百人もの警官や市民のほか、数十匹のK9も参列し、勇敢だったチャッキーへの最敬礼で締めくくられた。




 ネットでは保護装備なしでK9を送り出した当局への非難の声も上がっており、4歳にして最期まで務めを果たしたチャッキーを悼むとともに、こうした悲劇が繰り返されぬよう願う声も多数寄せられている。

References: foxsanantonioなど /written by D/ edited by parumo
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