森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★攻めどころを誤る野党 (2/2ページ)
『経済学は悲しみを分かち合う』(岩波書店)を書いた神野直彦教授は、世の中が小泉構造改革ブームに沸くなかでその路線を痛烈に批判して、こう述べていた。
「社会が豊かになると、国民は飢餓の恐怖から解放されて、働かなくなる。そのとき資本家側は、『彼らを貧乏にすることで飢餓感を復活させ、働かせよう』と考える。そこで、『構造改革』の名のもとに、金持ちは減税し、庶民を増税する。サッチャー政権、レーガン政権、そして小泉政権の本質もそこにある」
いま安倍政権がやろうとしていることは、その小泉構造改革とまったく同じ路線だ。実質賃金が下がれば、家族から働きに出る人を増やさないといけない。働き方改革を進めると言いながら、実際には、低賃金の非正規労働に多くの国民を追い込む。さらに外国人労働者の受け入れ拡大で、非正社員の低賃金を固定化しようとする。野党は、こうした本質的なところで政府を追及すべきだ。揚げ足取りが何も生まないことは、もう明らかだろう。