原巨人VS矢野阪神、2019年のセ・リーグは長嶋茂雄と掛布雅之の代理戦争!

日刊大衆

画像はイメージです
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 セ・リーグのペナントレースは3月29日、広島-巨人(マツダスタジアム)などのカードで幕を開ける。

 巨人にとって、この球場は、昨季13連敗という屈辱を積み重ねた惨劇の地。一方の広島も、開幕3カード目にマツダスタジアムで阪神と3連戦を行う。

「ズバリ、今季のセ・リーグの見どころは、ともに大型補強した巨人と阪神が、どこまで“常勝・広島カープ”を追い込み、V4を阻止できるかですね」(スポーツ紙デスク)

 巨人が4年も優勝から遠ざかり、阪神が17年ぶりの最下位に沈んだ昨シーズン。「このままだと、プロ野球の本当の醍醐味が失われる」という声がオールドファンはもちろんのこと、多くのプロ野球関係者からも漏れ始めた。

 そこで、絶対負けられないという宿命を背負って登場したのが巨人・原辰徳監督と阪神・矢野燿大監督。

「巨人は原氏を3度目の監督に担ぎ出し、阪神は金本知憲氏を監督から引きずり下ろして矢野2軍監督を昇格させた。そうした思い切った交代劇に踏み切ったのも、すべては今季、背水の陣でペナントレースに挑むためです」(前同)

 その両チームは、東京ドームの開幕戦(4月2日~4日)で相まみえる。

「巨人は開幕から広島、阪神、横浜と続き、阪神はヤクルト、巨人、広島と当たる。開幕3カードの勝ち方と負け方によって、今季の展望があらかた見えてきます」(同)

 つまり、最初の“伝統の一戦”から天王山を迎えるというわけだ。1936年に日本でプロ野球が始まって、84年目を迎える今シーズン。

「今年の伝統の一戦は、同じ千葉県出身の長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督と掛布雅之阪神オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザーの、代理戦争の様相も帯びています。もちろん、掛布は同じ千葉の先輩としてミスターを敬愛し、ミスターは後輩の掛布に現役時代からエールを送ってきた間柄。しかし、“勝負”となると話は別ですよ」(スポーツ紙ベテラン記者)

 巨人の長い歴史の中で、3度も監督についたのは原監督だけ。去年のオールスター戦の頃からミスターは、「今の巨人を立て直すのは原しかいない」と周囲に語っていたという。

「ミスターの言葉はフロントを介して、グループのドンであるナベツネ(渡邉恒雄読売新聞グループ本社代表)と山口寿一オーナーに伝わっていました」(前同)

 当時、原氏は巨人軍特別顧問として球団に残っていたものの、少年野球教室や母校・東海大学などの野球アドバイザーを引き受けていた。本人いわく、「今は野球を楽しんで教えている」として、現場復帰など微塵も感じさせなかったという。

「ところが、広島に13ゲームも離されている巨人を、見捨てることはできなかったんです」(同)

 ミスターの強い推薦で誕生した原新体制だが、これまでの巨人になかったシビアさが漂うという。

「口では“のんびり”なんて言っていても、彼(原監督)には、数年でチームを立て直すなんていう悠長なことは許されない。ミスターのセリフじゃないが、“紳士になる必要はない。がむしゃらに勝ちにいく”こと。そのための非情な采配に徹するだろうね」(巨人OB)

 原監督の厳しい目は、新加入の助っ人、ビヤヌエバにも向けられ、「そろそろ結果を……とメディアを使わせてハッパをかけている」(巨人担当記者)という。中日時代、本塁打王に輝いたゲレーロに対しても同様だ。

「年俸4億円といわれるゲレーロですが、打たなかったら2軍に落とす覚悟。巨人のスカウト陣は早くも、その代役となる外国人の調査に入っているといいます」(前同)

 つまり、高額ギャラの外国人でもためらいなく外すということだろう。

■矢野監督は掛布遺伝子を受け継ぐ男

 一方、オープン戦のスタートから6連敗と苦しい船出となった矢野阪神。12日にナゴヤドームで行われた中日戦で、なんとか初勝利を収めた。

「キャンプ後に2軍調整させていた高山俊外野手を即スタメン起用。すると、ドラフト3位ルーキーの木浪聖也内野手が、自身はもちろん、チームでも初の猛打賞となる3安打2打点。彼が開幕ショートをアピールすると、センターを狙う高山も2打席連続タイムリーの大活躍。プラスの相乗効果が働きました」(スポーツ紙阪神担当記者)

 昨季、チーム打率でリーグ5位の貧打に喘いだ打線浮上のカギは、やはり若手の台頭だ。矢野監督は昨シーズンの2軍監督時代、ウエスタン・リーグとファーム選手権でチームを優勝に導いた。

「阪神で“ミスター”といえば掛布氏。彼は金本前監督との確執で2軍監督を追われましたが、代わって指揮を取った矢野氏は、掛布時代に育った選手の活躍で日本一を獲得したんです。代打の切り札として活躍している伊藤隼太外野手に打撃開眼させたのも掛布氏でした」(球団関係者)

 東北福祉大出身の矢野監督は、金本前監督の1年先輩にあたる。金本氏が阪神の監督に就任した際、作戦コーチ(事実上のヘッド)としてベンチ入りしたが、「そのコンビはうまくいかず、むしろ今では、矢野監督は掛布氏の遺伝子を受け継ぐ男という印象がある」(阪神OB)という。

 それでは、矢野新監督はどんな采配を振るうのか。

「2軍監督時代、ノーサインでどんどん走らせ、盗塁数はリーグ1位の163個を記録。逆に盗塁死もリーグ1位でしたが、矢野監督は失敗しても、けっして選手を叱ることはなかった。放任主義で、のびのび野球をさせていたんです」(前出の阪神担当記者)

 非情に徹する巨人の原監督とは真逆の指導方針だ。

「そうはいっても、まさか1軍でノーサインということはないでしょう。そこはバランス感覚に富む捕手出身の監督。長打力が不足しているチームだけに、堅実な野球をしてくるはず」(前出のOB)

 現在発売中の『週刊大衆』4月1日号では、続けて巨人&阪神を特集。そのほか、春のセンバツ高校野球についての記事など野球情報を掲載している。

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