伝説の「平成・春のセンバツ対決」90年北陽VS新田は延長17回の末に…! (2/2ページ)
そのカクテル光線の下、北陽は依然として寺前が、新田は8回から登板の3番手・山本雅章が渾身の投球を見せ、緊迫した投手戦が続いたのである。
当時は今のようにタイブレークもなければ、延長15回同点引き分け制でもなかった時代。気づけば16回が終了。そしてこの熱戦を見守っていた誰もが延長18回引き分け再試合になると覚悟した延長17回裏。この回先頭の新田の1番・池田が寺前の投じた238球目をレフトスタンドへ叩き込んだのである。池田にとってはこの大会2号となる劇的なサヨナラソロによって、3時間34分の激闘に終止符が打たれたのだった。
この熱戦の疲れが残っていたのか、翌日に行われた決勝戦で新田は近大付の前に2‐5で敗退、惜しくも準優勝に終わった。とはいえ、この大会で新田はある快挙をも成し遂げていた。2回戦の日大藤沢(神奈川)戦でも9回裏に5‐4という劇的なサヨナラ勝ちを収めているのだが、その幕切れが4番・宮下による逆転サヨナラ3ランだったのだ。春夏の甲子園大会を通じて1つの大会で同一チームが2度、サヨナラ本塁打をマークしたのは今もってこの時の新田が最初で最後。この時の新田の快進撃を熱心な高校野球ファンは“ミラクル新田”と、今なお讃え続けている。
(高校野球評論家・上杉純也)