伝説の「平成・春のセンバツ対決」沖縄に初優勝をもたらした沖縄尚学の奮起! (2/2ページ)

アサ芸プラス

 延長戦に入ってもこの両校は相譲らなかった。11回表に沖縄尚学が1死二塁から3番・津嘉山人の左前適時打で1点を勝ち越すと、その裏、PLも1死三塁で1番・田中一徳が右前に執念の同点適時打。まさに死闘が展開されたのである。

 この激闘の勝負の分かれ目となったのが12回表の攻防だった。沖縄尚学は2死ながら二塁と一打勝ち越しのチャンスを迎えていた。ここで9番・比嘉公也の打球は左前への浅いフライ。これをヒットにすると勝ち越しの1点が入るが、PLのレフト・田中一徳は「後ろに逸らしてもいけない場面」と、一瞬弱気になり最初の一歩目が遅れてしまった。そこから一か八かのダイビングキャッチを試みたが、打球はショートバウンドして差し出すグラブをあざ笑うかのように後ろへと抜けていった。沖縄尚学は続く1番・荷川取も左前に適時打を放ち、この回決定的な2点目を奪取。その裏、2死一、二塁と一打同点のピンチを招いたものの、エース・比嘉公也が最後の打者を見逃しの三振に打ち取り、8‐6でついにゲームセット。12回を一人で投げ抜いた比嘉の不屈の闘志がPL攻撃陣の気迫を押し返したのであった。

 この翌日、決勝戦を迎えた沖縄尚学のマウンドにエースの姿はなかった。前日、計212球の熱投の影響だった。それでも二番手の照屋正悟が好投。水戸商(茨城)相手に7‐2で快勝し、チームとしても県勢としても春夏通じて初の甲子園優勝を成し遂げたのである。(高校野球評論家・上杉純也)=文中敬称略=

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