中小企業の生産性向上に必須な「賃金制度」 専門家が語る正しい運用法(2) (2/2ページ)
――以前お話を伺った時、評価制度は従業員皆が納得できるものにするためにトライアルをしたり、何度も改善を重ねていくことが大事だとお話しされていました。賃金制度にも同じことが言えるのでしょうか。
山元:評価制度については、トライアルやアンケートをして、最終的に皆が納得するものにする必要があるのですが、ここである程度の納得度が得られていれば、賃金制度のところで不満が出ることは少ないと思います。
評価制度ができるということは、どうすれば給料が上がっていくかが明確になるということです。評価制度に基づいた賃金制度によって一時的に給料が下がってたとしても、なぜ下がったのかがわかりますし、自分のやるべきことは明確になりますから、それでモチベーションが下がることは少ないはずです。
また、この本の手法では、評価が実際に給料に反映されるまでに一定の猶予時間を設けますからその間に評価が下がったポイントを改善することができます。
――賃金制度の導入がうまくいくどうかは、評価者の評価スキルがポイントになると思いました。たとえば、評価者間の評価スキルのばらつきによって従業員が不公平感を持ってしまうことも考えられるかと思います。複数人いる評価者のスキルを一定に保つためにどんなことが必要になるのでしょうか。山元:人間が評価する以上、完全に公平になることはないかもしれませんが、どちらかというと重要なのは評価をされる従業員の側が納得するかどうかです。
いかに評価者が部下に対して真剣に取り組んで、本人の成長のために支援をしているかが見えれば、部下としても信頼してついていこうとなります。だから、客観的に見て公平かどうかよりも、意識の問題というところが大きいと言えるかもしれません。
とはいえ、「〇〇さんの下についたからラッキー」「△△さんの下は嫌だ」となるのは問題ですよね。私たちがコンサルティングに入った企業では、評価者それぞれに対して評価制度と照らし合わせながら判断根拠をヒアリングしてフィードバックしていきます。賃金制度を導入する場合、こうした取り組みはやっていった方がいいでしょうね。
――本書の読者となりうる中小企業経営者の方々にメッセージをお願いいたします。山元:自分の会社の社員の生産性を上げて、会社を成長させ、業績をアップさせ、そしてその分はきちんと給料に反映させていくようにかじ取りをしていただきたいです。
自分の会社の社員の平均給与や平均年収が業界全体でどの位置にあるとか、同規模の会社と比べてどうかなどを分析している中小の社長は少ないと思いますが、そういったことを調べてみるのもよりよい経営を考え直すきっかけになるのではないかと思います。
(新刊JP編集部)