惚れた女のため斬って斬って斬りまくる!本格時代劇『多十郎殉愛記』 (2/2ページ)
痩身のニヒルな剣客といえば、眠狂四郎や平手造酒が想起させるが、将来そんな著名キャラもハマリ役になりそうな高良であり、現代劇でも『月と雷』(17年)などで気を吐き、個人的に注目している若手男優である。ヒロインの多部未華子も、丸顔で着物の似合う純日本的美貌を生かし、女将役を凛々しく演じている。
何より長屋のセットや、配される住人たちの風情が素晴らしい。そして、いったん屋外に出るや高良=多十郎が、この映画のための特訓の成果か、走り、跳び、逃げ、そして斬る! 欲を言えば追っ手の数がもっと多くて、さらに〝人を波のように動かす〟ようになっていればより興趣が増したろうに。とはいえ、時代劇衰退期において、これが現状ベターなのだろう。さらに言えば、多十郎とおとよの〝濡れ場〟っぽいものが欲しい、と言ったら中島監督に『これは殉愛だぞ、バカモン』と言われそう。平成最後の時代劇を観よ!