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本好きのリビドー(253) (2/2ページ)

週刊実話



 四三がストックホルム五輪に出場した後の大正5年、長距離ランナーの育成とマラソンの普及を目的に刊行された。当時はマラソンはおろか、スポーツ上達のためのマニュアルなどは皆無だった。四三は、誰も「上達進歩しても、その方法なり、注意なりについて自己の意見を発表し、書き残すことをしない」ため、このままでは日本のスポーツがいつまでも発展しないという意を強くしていた。

 そこで「走るときの目線は3、4間前方を見る。手と足と呼吸は連絡して調和させる。一呼吸を4分割する」など、経験から導いた“極意”を記したという。

 呼吸を4分割、つまりスッスッと2度に分けて息を吸い、ハッハッと2度に分けて吐く。現在50代以上のオヤジ世代なら、学校の体育の授業で教わった記憶があるだろう。そう、この呼吸法を編み出した発案者こそ、今年の大河ドラマの主人公なのである。

 そうした四三の考えがそのまま“復刻”されたのがこの本。加えて、現代のマラソン理論との対比を増田明美さんが解説している。実際のマラソンはシンドいだろうが、読んだだけで走った気になる1冊だ。
(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)
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