飼い猫は家の中と外で態度が違う。猫たちにカメラを設置し4年間追跡調査した結果、意外な事実が見えてきた(英研究)

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飼い猫は家の中と外で態度が違う。猫たちにカメラを設置し4年間追跡調査した結果、意外な事実が見えてきた(英研究)
飼い猫は家の中と外で態度が違う。猫たちにカメラを設置し4年間追跡調査した結果、意外な事実が見えてきた(英研究)


 日本の場合は現在、完全室内飼いが推奨されているが、国が違えば事情も異なる。イギリスの場合、飼い猫を家と外の両方を自由に行き来させている飼い主も多い。

 飼い猫は外出中一体何をしているのだろう?

 自らも猫の飼い主であるイギリス・ダービー大学の行動生物学者マーレン・ハック博士は、他の研究者らと共に16匹の飼い猫に小型カメラを設置し、猫たちが近所を徘徊する様子を最大4年にわたって追跡調査した。

 その結果、意外な事実が見えてきた。猫についての一般的な誤解を払拭するような、いくつかの驚くべき発見があったという。
・きっかけは自宅の飼い猫の観察から

 ハック博士がこの研究を行うきっかけとなった出来事がある。2014年のある日、飼い猫が自分と同じほどの大きさの「コチョウゲンボウ(小型のハヤブサ)」を家の中に持ち帰ってきたのだ。

 こんな大きな獲物をどうやって捕まえたのか?家の中ではおとなしく人懐こい猫である。そこで博士は、飼い猫をビデオで毎日観察し続けた。

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・飼い猫は外ではあまり鳴かない。声のトーンも異なる

 小型カメラを猫の首輪に設置して約半年間行動を追跡したところ、飼い猫は家の中にいるよりも外ではあまり声を出していないことや、屋外では声のトーンが異なることに気付いたという。

「猫は、人間に見られている時とそうでない時の態度が異なるようだ。外では、猫はいったいどんなふうに行動しているのか」という疑問を持ったハック博士は、猫の行動をより理解するため、もっと多くの猫を追跡してみようと思った。


・16匹の猫にカメラをつけて本格調査を開始

 実際には最初、21匹の猫にカメラの装着を試みた。しかし、そのうちの5匹はカメラのついた猫を互いに追いかけまわしたり、カメラを傷つけて首から取り外してしまった。そこで、カメラを受け入れてくれた16匹のみを対象に研究を行うことにした。

 研究に使用された動画の一部が公開されている。


Snippet: Cats wearing cameras

・飼い猫は自分のテリトリーにそれほどこだわっていない

 ある猫は、外をうろついている最中に他の猫の姿を見つけると、近寄って鼻に触れ合い、小さいが長々と声を出している。すると間もなく、目の前の猫は追い立てられたように姿を消した。

 別の猫も、とりあえず近付いて鼻に触れあっているような仕草をした。中には、目の前から立ち去った猫の後を追った行為が、結果的に喧嘩の種をまいた形になり、唸り声を上げながら攻撃し合う猫もいた。

 しかし、必ずしも喧嘩が勃発するというわけではない。

 ほんの少しの距離を置き、相手を見つめながら様子を探り合うというようなケースが多く見られたようだ。

 これらの行動から分析すると、「猫は自分のテリトリーには厳しい」という見解には、一般的な誤解があることがわかった。

 更に、普段猫は犬と比較して何かと怠惰に思われがちだが、実は敏感で、外では警戒心を鋭く行動していることがわかる。ハック博士によると、猫は外では時に30分以上も周囲を注意深く見回す行為をしていたそうだ。

・人間の前ではあまり見せない野生の本能

 動画には、夜にハンティングをして蛾を仕留めた後、口にくわえてそのまま家の中に持ち帰ろうとした猫の姿も記録されている。

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 しかし、猫は外でのワイルドさを家の中ではあまり見せない。

猫は、人間が側にいる時には人間に保護されていると感じているのでしょう。猫は家の中にいる時には、人間と同じ部屋にいることを好み、ほとんどの時間を眠ったりグルーミングしたりして過ごします。

ですが、飼い主の目から離れ外にいる時には他の猫と関わったりハンティングしたりして過ごしています。(ハック博士)

 結局、猫は飼い主に対し、結構な愛着を持っているということも、この研究で明らかになったようだ。


・猫の個性に応じた飼い方を推奨する博士

 今回の研究を終えて、ハック博士は次のように語っている。

猫をずっと室内で飼うべきかどうかということについての議論があります。

猫は個体差が豊かなので、室内飼いに適応するタイプもいますが、室内だけでは退屈しストレスがたまってしまう本能が強く残るタイプも存在します。

もし自分の飼い猫にそのような様子が見られたら、運動できる場所を増やすなど、室内環境を豊かにしたり、監視のもとに外に出す時間を与えることについて考えても良いかもしれません。

いずれにせよ、猫の行動や特質を理解するためには、より多くの猫のデータが必要となってきます。カメラをつけさせてくれる飼い猫ならば、そのデータが役に立つことになります。我々はさらなる調査を行っていきたいと思っています。

 この研究論文は5月発行の『Applied Animal Behavior Science』で発表された。

References:Researchers strapped video cameras on 16 cats and let them do their thing. Here’s what they found/ written by Scarlet / edited by parumo
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