天才テリー伊藤対談「小林清志」(3)俺の特別な俳優はJ・コバーンだね (2/2ページ)
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昔は食えないから、しかたなくやっていたんだけど、それが今はあちこちの専門学校に声優学科があって、うちの事務所にも声優の養成所があるから。
テリー 小林さんの立場から見て、今の若い声優さんたちはどんな印象がありますか。
小林 みんなテクニックもあるし、よくやっているんじゃないですかね。ただ昔と違って、一度聞いて「この声を演じているのは○○だな」っていう、目立つ個性があまり感じられないような気はする。俺、仕事はしているんだけど、昔からアニメはほとんど見ないから、実際のところはわからないけどね。
テリー 若い声優さんは、やっぱりアニメがやりたくて入ってくるんですか。
小林 そうみたいだよ。映画よりも、むしろアニメの吹替がやりたいのかな?
テリー それって、なんだか寂しいなァ。小林さんといえば、僕らの世代にはジェームズ・コバーンの声のイメージが強いんです。もう亡くなっちゃいましたけれど、本当に大好きな俳優でした。
小林 うれしいね。俺もあの人を演じているのが、とても楽しかった。
テリー 顔もちょっと、小林さんに似ている気がしますけど。
小林 うん、昔は顔や唇の形が似ている役者を吹替に配役していたんだ。長年演じた役者だし、もう他人に思えないんだよ。あと先日亡くなったモンキー・パンチさんによると、「荒野の七人」の彼は次元大介のモデルらしいからね。
テリー へぇ! じゃあジェームズ・コバーンがいなければ次元が生まれなかったし、小林さんが演じることもなかった。
小林 そういうことになるのかもね。だからコバーンは、俺にとって特別な俳優なんだ。