６月５日、お笑いコンビ・南海キャンディーズの山里亮太（４２）と女優の蒼井優（３３）が結婚したことが明らかになった。２人は３日に都内の区役所に婚姻届けを提出、相方のしずちゃん（４０）の紹介で知り合ったことや、交際２か月のスピード婚であったことにも驚きの声が上がっている。

　山里は５日、朝の情報番組『スッキリ』（日本テレビ系）に“山里の親友”という設定の「天の声」として生出演。スタジオからの結婚の祝福コメントに対して「夜に２人で会見する予定だったけど、（スポーツ新聞に）“すっぱ抜かれた～！”」と発言。「２人でツーショット会見やるみたい。ラジオでも話すみたいよ」と明かした。さらには翌日６日の『スッキリ』に、山里亮太として生出演することがその場で決まった。

　５日朝の各局ニュース番組は、ブサイク芸人と恋多き人気女優の電撃結婚の話題で持ちきりだったが、「天の声」として山里が出演するとあって『スッキリ』には多くの注目が集まった。その結果、５日の『スッキリ』の視聴率は１０.３％（すべてビデオリサーチ調べ、関東地区）を記録。前日の６.５％から４ポイント近くも上昇した。さらに、すごかったのはその翌日の６日。山里がスタジオに生出演し、蒼井とつき合った経緯やプロポーズの裏話を披露したことで、視聴率は１１.４％と、一昨日の視聴率から５ポイントも高い数字をたたき出したのだ。

「視聴者がどの番組を見るかというのがある程度決まっている朝の時間帯で、たった１日で４～５ポイント近くも視聴率が上昇するなんてまずあり得ません。それだけ山里と蒼井の結婚に注目が集まったわけですが、『スッキリ』にしてみれば完璧な“山里特需”ですよね」（テレビ誌編集者）

　ところが、一部のテレビマンからは５日の『スッキリ』について、批判の声が上がっているという。

■テレビマンの間でタブー視されている“あおり演出”

「５日の放送は番組冒頭から“話題の山ちゃんが”とかいうふうにして引っ張りに引っ張ったんです。で、出てきたのは番組開始から１時間４５分後の９時４５分頃。９時３０分頃にＣＭにいく際は“この後、山ちゃんが!?”みたいなテロップが出たのに、ＣＭ明けも出てこずで、結局、もう１回ＣＭを挟んでの登場でした。登場といっても“天の声”としてだったので通常通り声のみ。放送当日夜に行われた記者会見などとの兼ね合いでそれは仕方ないとは思いますが、あのあおり方は近年見ないレベルのものでしたよ。

　このような“あおり”と呼ばれる演出は、ここ最近のテレビ業界ではタブー視されています。過去に他の民放でも“ＣＭの後に〇〇が!?”といった過剰な演出をして批判を浴びましたが、５日の『スッキリ』はまさにそれ。あおり演出の見本のような構成でした」（在京テレビ局ディレクター）

　事実、ネットでも「天の声出てくるの結局いつもと同じだったよね」「スタジオに来るって話を番組冒頭でしてたからいつもより３０分早く出てくると思っちゃった」「めっちゃ待ってたのに新たな情報はなかった」と、『スッキリ』の演出に拍子抜けしたというコメントが多数投稿されている。

　日テレ内でも、５日の『スッキリ』の演出には不満の声が上がっているという。日テレで働く制作会社関係者が話す。

「日テレでも“あおり演出”はよく行われていました。ところが近年、過剰なあおり演出は、視聴者が離れてしまうというのが明白になってきた。そのため、ここ最近はこのような演出は控えられています。ただ、５日の『スッキリ』はあまりにも露骨でした。『スッキリ』に関してはここ数年、何度も打ち切りの話が出ていましたから、視聴者が期待する山ちゃんの出演をダシにして、半ば批判覚悟であおり演出をしたのではないかと、局内でもささやかれていますね」

『スッキリ』と同時間帯の番組では、テレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』が１０％前後の視聴率で、それを６～７％の視聴率の『スッキリ』と『とくダネ！』（フジテレビ系）が追う状況が続いている。

「『スッキリ』は、２０１７年１０月に人気の水卜麻美アナ（３２）を新ＭＣに加えるなど、マイナーチェンジを繰り返していますが、視聴率の低迷が続いていて、局内では“もう上がり目はない”という評価です。６日の山ちゃんが生出演しての超高視聴率はなんの文句もないですが、５日のあおり演出での１０.３％はやはりまずいと思います。ただ５日と６日の視聴率爆上がりは一時的なカンフル剤にすぎず、番組の延命にはつながらないのではないでしょうか」（前出の制作会社関係者）

　業界から批判が飛ぶ演出方法で好結果を叩き出した『スッキリ』。新婚の山里の仕事が減らないように、長く続くいい番組であってほしいと思うのだが……。