「長嶋茂雄は親父以上、ビートたけしは兄貴分」ミスターラグビー・松尾雄治インタビュー
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6月21日のセ・パ交流戦の巨人‐ソフトバンク戦を視察するといわれる長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督( 83 )。色褪せない毒舌で、芸能界のご意見番として第一線で活躍を続けるビートたけし(72)。
両者と交流が深い“ミスターラグビー”こと松尾雄治氏が、秘話を明かす‼
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――お二人は、松尾さんにとって、どういう存在?
「長嶋さんは親父以上、たけしさんは兄貴分。お二人なくして、今の僕はないと断言できますね」
――長嶋さんと懇意になられたきっかけは?
「1985年に30歳で現役を引退して、岩手県の釜石から東京に帰って来たとき、一番初めにお会いしたのが長嶋さんなんですよ。
長嶋さんは、同じスポーツマンとして目をかけてくださって、マスコミの方を紹介していただいたり、読売グループトップの正力亨さんにもお会いさせていただいたんです」
――引退試合も見に来てくれたとか?
「そうなんです。それから、僕の第二の人生が本格的に始まったと言えます。すべては、長嶋さんのおかげなんです。だから、親父以上の存在なんですよ。
1月に国立競技場で引退試合をしたんですが、試合後に記者たちが長嶋さんを見つけて、バーッと寄っていくんですよ。僕の周りには誰もいなくなっちゃって(笑)。それで、記者に感想を聞かれたら開口一番、“いやぁ〜、ラグビーは寒いですね”って。みんな、ズッコケちゃってさ(笑)。
長嶋さんはコートを着ないでジャケット1枚だったから、そりゃ寒かったはずですよ。たぶん、野球みたいにガラス張りのゲストルームで観戦できると思っていたんじゃないかな」
――深く接していく中で、長嶋さんのユーモラスな部分もたくさんご覧になったんですね。
「ええ(笑)。とにかく、集中力がすごい人で、一つに集中すると、周りが見えなくなるんだと思います。
その反面、マナーや道徳にはとても厳しい方で、“人との約束は、口約束でも絶対に守らなきゃダメだぞ”とか、いろいろなことを教えていただきました」
――ゴルフも、たくさんご一緒されていますよね?
「はい。ゴルフ場でも、“雄ちゃん、ゴルフっていうのはね、マナーがすべてだ”とおっしゃられて、ゴルフ場のトイレや洗面台をキレイにするんですよ。これは、たけしさんもそうでしたね。
ある日、長嶋さんとたけしさんとラウンドしていたんですが、トイレにいたらジャーッて音がして、中年のおじさんが個室から出てきたんです。そのおじさん、“あっ、長嶋さん! 握手してください”って。感激しちゃって。急いで手を洗って、長嶋さんに握手してもらって出て行ったんですけど、興奮してか、洗面台の水が出しっぱなしで、周りがビチョビチョ。
それを見て長嶋さんが、“雄ちゃん、しょうがない人だね”って言って、蛇口を締めてタオル持ってキレイに拭いて、ピカピカにするんですよ。で、トイレを悠然と出て行ったんですが、長嶋さん、自分の蛇口締めるの忘れてるの(笑)」
――ギャハハハ(笑)。
「そしたら、たけしさんが俺のケツ蹴っ飛ばしてきて、“おい、(長嶋さん)大丈夫
かよ”って(笑)」
――さすがのたけしさんでも、長嶋さんにはツッコめないんですね(笑)。
「で、ラウンドになったら、長嶋さんもたけしさんも、スイングの前にすごいワッグルしてパタパタ動くんですよ。そしたら、しばらくして、長嶋さんが耳元で“タケちゃん、ちょっと動きすぎだよね”って。それで僕が、たけしさんに“長嶋さんが動き過ぎだと言っています”て伝えたら、たけしさんが、“バカヤロー、長嶋さんのほうが動いてんじゃねーか”って。それで、キャディさんに、どっちが動いてるか判定してもらったんですよ。そしたら、キャディさんが“五分五分です”だって(笑)」
――ゴルフっていうのは、人間性が出るし、互いの距離が近づきますよね。
■ビートたけしのさりげない優しさ
「そうそう。長嶋さんもたけしさんも、本当に人の痛みが分かる優しい人ですよ。ゴルフを通じて分かったもん。昔、大橋巨泉さんに呼ばれて、たけしさんと僕とでラウンドしたの。伊東カントリーってところで。
そしたら巨泉さんが、“松尾、湧き水汲んで来てくれ。あの湧き水で飲むバランタインがうまいんだよ”って。僕が、ビニール袋三重にして汲みにいったら、まあ、重いのよ。サン
タクロースみたいに担いで運んでたら、たけしさんが、“重いだろ、ちょっと待て、俺も押してやる”って。俺が担いでいる後ろから、そのビニール袋を抱えてくれたんですよ。たけしさんには、そういうさりげない優しさがありますよね」
――かっこいいですね!
「軍団との飲み会に合流したときも気を遣ってくれて、“松尾、俺がいると軍団が騒げないから2人で、どっか別の店行こうぜ”って。軍団にも僕にも、気を遣ってくれていましたからね」
――惚れちゃいますね。
「2人で飲みに行っても、クラブで女の子と踊りながら、わざとズボンをバーッと下げてパンツ一丁になっちゃったりして(笑)。これ、たけしさんの得意芸だったね。店中、大笑い。
そんなことばっかりして、“たけしはしょうがねーな”って、世間の人に言われて喜んでいるんだから本当にすごい。知的で優しい本当の顔を隠してるんだよね」
――そういうところが、カッコいいですよね。
「僕は親父と確執があったんですが、50歳くらいのとき、それが爆発しちゃって、“これから大変になるぞ”ってときにも、たけしさんは優しかったですね。
僕に“松尾な、お前がもし何をやるんでもな。たとえばリヤカー引いてラーメンの屋台やるんだったらな、俺は後ろから屋台押してやるから”って言ってくれて……。なんか涙が出ちゃったから、便所に入って泣いてましたもん」
――すごいですね……。
「僕が1992年にポーカー賭博容疑で逮捕されたときも、助けてもらいましたね。結局、不起訴になったんですが、たけしさんからすぐ電話が来て、心配してくれて……。自分の番組でも、“本当は俺も(賭博に)行く予定だったんだけど、急用で行けなかったんだよ”と、ギャグを飛ばしてくれて。たけしさんは呼ばれているわけないのにですよ」
――長嶋茂雄とビートたけしの人柄がわかるインタビュー。この続きは現在発売中の『週刊大衆』7月1日号で。