週に2時間、自然の中で過ごすだけで心身ともに健康になる(英研究)
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自然の中で過ごすゆっくりとした時間――それが心と体の健康にいいだなんて、そんなことは言われなくてもわかっている。
ずっと昔から言われ続けてきたことなのだ。誰だって百も承知だ。
だが何事も詳細に分析せねば気がすまない科学者は、そんなあいまいな言い方では我慢ならない。そこで彼らは検証した。
週に2時間以上自然の中で過ごすと、少なくともイギリス人は体の健康と心の満足感が向上するということがわかったそうだ。
・自然が体にいいのはわかる。でも具体的には?
誰もがわかりきっていることを、今更調査する必要などあるのだろうか? だが、神は細部に宿ると言うではないか。
たとえば、自然の中で過ごすといいのはわかるが、ではどのくらいの時間を過ごしていれば健康になるのだろうか?
あるいは過ごしすぎてかえって副作用が出ちゃうことはないのか? とか、海に行くべきか山に行くべきか? とか、もっと具体的に知りたいことはあるだろう。

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・英国人2万人を対象とした調査データを分析
科学者らしくそんな細かい点が気になった英エクセター大学のマシュー・ホワイト氏は、それらをはっきりさせるべく、英国人2万人を対象に英政府がおこなった調査のデータを分析してみることにした。
この調査は回答者の自宅でインタビュワーが過去7日間について質問し、公園、森、海岸といった自然の中で過ごした時間について説明してもらうというやり方で行われた。
また前週に訪問した場所をランダムに選び、それについてより詳しく(滞在時間、同行者、移動手段など)質問した。
こうして得られた回答を、その回答者の全般的な健康状態と人生の満足感とに照らし合わせて、関連性を探るのだ。

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・誰もが週に2時間自然に触れると心身が健康になることが判明
その結果判明したのは、自然の中で週に2時間以上過ごしている人は、まったくそうした時間がない人に比べて、健康状態が「良好」で満足感が「高い」ということだ。
自然の中で過ごすことは過ごすが、2時間未満という人は、まったく過ごさないという人とほとんど変わりがなかった。
また5時間以上過ごしたとしても、それ以上の改善効果はないようだった。
だが、より重要なのは、このことは男性も女性も、若者も老人も、都市の住人も田舎の住人も、病気や障害の有無も関係なく、どのグループについても該当するということだ。どんな人たちでも、とにかく2時間以上過ごすことが大切だったのだ。
このことは、健康な人ほど自然を訪れようとする傾向がある――つまり「逆の因果関係」があるわけではないということを示している。なにしろ慢性的な病気を患っている人でさえ、週に2時間自然の中で過ごせば、心身ともに健康になる傾向があるのだから。

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・気楽な気持ちで自然を楽しもう
もちろん、この調査は自己申告によるもので、回答された滞在時間が正確ではない、健康状態について正直に話すことがためらわれたなど、結果の精度を低下させるかもしれない要因はいくつか考えられる。
それでも、自然の中で過ごすことが心身の健康にいいということを示した研究(ストレス生体指標を利用したものなど)は、他にいくつもあるのだ。今回の研究はただ具体的にどのくらい自然の中で過ごせばいいのかを調べただけだ。
自然の中で過ごすのが心身の健康にいい。ほとんど常識のような話だが、実際に効果はあることが科学的に検証された。
気楽な気持ちで木々の中に入ってみよう。毎週2時間そこに身を置くだけで、きっと心も体も軽くなることだろう。
References:Spending two hours a week in nature is linked to better health and well-being/ written by hiroching / edited by parumo