「ビートたけし、長嶋茂雄とゴルフに行ったら!」松尾雄治が明かす爆笑&感涙秘話
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長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督(83)と芸能界のご意見番として第一線で活躍を続けるビートたけし(72)。両者と交流が深い“ミスターラグビー”こと松尾雄治氏が、秘話を明かす!!
――お二人は、松尾さんにとって、どういう存在?
「長嶋さんは親父以上、たけしさんは兄貴分。お二人なくして、今の僕はないと断言できますね」
――長嶋さんと懇意になられたきっかけは?
「1985年に30歳で現役を引退して、岩手県の釜石から東京に帰って来たとき、一番初めにお会いしたのが長嶋さんなんですよ。長嶋さんは、同じスポーツマンとして目をかけてくださって、マスコミの方を紹介していただいたり、読売グループトップの正力亨さんにもお会いさせていただいたんです」
――引退試合も見に来てくれたとか?
「そうなんです。それから、僕の第二の人生が本格的に始まったと言えます。すべては、長嶋さんのおかげなんです。だから、親父以上の存在なんですよ。1月に国立競技場で引退試合をしたんですが、試合後に記者たちが長嶋さんを見つけて、バーッと寄っていくんですよ。僕の周りには誰もいなくなっちゃって(笑)。それで、記者に感想を聞かれたら開口一番、“いやぁ〜、ラグビーは寒いですね”って。みんな、ズッコケちゃってさ(笑)。 長嶋さんはコートを着ないでジャケット1枚だったから、そりゃ寒かったはずですよ。たぶん、野球みたいにガラス張りのゲストルームで観戦できると思っていたんじゃないかな」
――深く接していく中で、長嶋さんのユーモラスな部分もたくさんご覧になったんですね。
「ええ(笑)。とにかく、集中力がすごい人で、一つに集中すると、周りが見えなくなるんだと思います。その反面、マナーや道徳にはとても厳しい方で、“人との約束は、口約束でも絶対に守らなきゃダメだぞ”とか、いろいろなことを教えていただきました」
――ゴルフも、たくさんご一緒されていますよね?
「はい。ゴルフ場でも、“雄ちゃん、ゴルフっていうのはね、マナーがすべてだ”とおっしゃられて、ゴルフ場のトイレや洗面台をキレイにするんですよ。これは、たけしさんもそうでしたね。ある日、長嶋さんとたけしさんとラウンドしていたんですが、トイレにいたらジャーッて音がして、中年のおじさんが個室から出てきたんです。そのおじさん、“あっ、長嶋さん! 握手してください”って。感激しちゃって。急いで手を洗って、長嶋さんに握手してもらって出て行ったんですけど、興奮してか、洗面台の水が出しっぱなしで、周りがビチョビチョ。それを見て長嶋さんが、“雄ちゃん、しょうがない人だね”って言って、蛇口を締めてタオル持ってキレイに拭いて、ピカピカにするんですよ。で、トイレを悠然と出て行ったんですが、長嶋さん、自分の蛇口締めるの忘れてるの(笑)」
――ギャハハハ(笑)。
「そしたら、たけしさんが俺のケツ蹴っ飛ばしてきて、“おい、(長嶋さん)大丈夫かよ”って(笑)」
――さすがのたけしさんでも、長嶋さんにはツッコめないんですね(笑)。
「で、ラウンドになったら、長嶋さんもたけしさんも、スイングの前にすごいワッグルしてパタパタ動くんですよ。そしたら、しばらくして、長嶋さんが耳元で“タケちゃん、ちょっと動きすぎだよね”って。それで僕が、たけしさんに“長嶋さんが動き過ぎだと言っています”って伝えたら、たけしさんが、“バカヤロー、長嶋さんのほうが動いてんじゃねーか”って。それで、キャディさんに、どっちが動いてるか判定してもらったんですよ。そしたら、キャディさんが“五分五分です”だって(笑)」
■ポーカー賭博容疑で逮捕されたときも…
――ゴルフっていうのは、人間性が出るし、互いの距離が近づきますよね。
「そうそう。長嶋さんもたけしさんも、本当に人の痛みが分かる優しい人ですよ。ゴルフを通じて分かったもん。昔、大橋巨泉さんに呼ばれて、たけしさんと僕とでラウンドしたの。伊東カントリーってところで。そしたら巨泉さんが、“松尾、湧き水汲んで来てくれ。あの湧き水で飲むバランタインがうまいんだよ”って。僕が、ビニール袋三重にして汲みにいったら、まあ、重いのよ。サンタクロースみたいに担いで運んでたら、たけしさんが、“重いだろ、ちょっと待て、俺も押してやる”って。俺が担いでいる後ろから、そのビニール袋を抱えてくれたんですよ。たけしさんには、そういうさりげない優しさがありますよね」
――かっこいいですね!
「軍団との飲み会に合流したときも気を遣ってくれて、“松尾、俺がいると軍団が騒げないから2人で、どっか別の店行こうぜ”って。軍団にも僕にも、気を遣ってくれていましたからね」
――惚れちゃいますね。
「2人で飲みに行っても、クラブで女の子と踊りながら、わざとズボンをバーッと下げてパンツ一丁になっちゃったりして(笑)。これ、たけしさんの得意芸だったね。店中、大笑い。そんなことばっかりして、“たけしはしょうがねーな”って、世間の人に言われて喜んでいるんだから本当にすごい。知的で優しい本当の顔を隠してるんだよね」
――そういうところが、カッコいいですよね。「僕は親父と確執があったんですが、50歳くらいのとき、それが爆発しちゃって、“これから大変になるぞ”ってときにも、たけしさんは優しかったですね。僕に“松尾な、お前がもし何をやるんでもな。たとえばリヤカー引いてラーメンの屋台やるんだったらな、俺は後ろから屋台押してやるから”って言ってくれて。なんか涙が出ちゃったから、便所に入って泣いてましたもん」
――すごいですね……。
「僕が1992年にポーカー賭博容疑で逮捕されたときも、助けてもらいましたね。結局、不起訴になったんですが、たけしさんからすぐ電話が来て、心配してくれて……。自分の番組でも、“本当は俺も(賭博に)行く予定だったんだけど、急用で行けなかったんだよ”と、ギャグを飛ばしてくれて。たけしさんは呼ばれているわけないのにですよ」
――長嶋さんのほうは?
「長嶋さんからもすぐに電話かかってきて、“雄ちゃん、2〜3か月謹慎してなさい”って言われたから、おとなしくしてたんです。そしたら、2か月後に電話があって、“ホテルで知り合いのパーティやるから、ちょっと顔出しなさい”って言われたんで、会場に行ったんです。当日は、ひな壇の屏風のソデで待っていろと指示されたんで、待機していたら、長嶋さんが登壇して“どうも、長嶋茂雄です”って挨拶し始めたんです。それで、長嶋さんと目が合ったら、“雄ちゃん! 早く来いよ、何やってんだよ”って舞台に上げてくれて。続けて、“君がね、トランプで捕まったことなんて誰も覚えてないよ”って(笑)。会場中、爆笑でズッコケたもん。もちろん、長嶋さんに悪意はなくて、純粋に僕のことを思ってくれているんですけどね(笑)」
――長嶋さんらしい(笑)。
■一度だけ、本気で怒鳴られた
「一度だけ、長嶋さんに本気で怒鳴られたこともありました。長嶋さんと箱根カントリーでゴルフをご一緒したときのことですが、その日は事故で東名高速が大渋滞。“これはプレーに間に合わないな”と思っていたら、車内電話に長嶋さんから電話がかかってきて、“雄ちゃん、混んでいても約束は守らなければならない。途中で降りて電車で行こう”って言われて。“厚木駅で待ち合わせよう”って言われたんで、急いで高速を降りて厚木駅に行ったんです」
――大変ですね。無事、合流できたんですか?
「厚木駅で待っていたら長嶋さんから電話がかかってきて、“遅いよ! 雄ちゃん、どこにいるの!?”って怒鳴られちゃって。“厚木駅にいますよ”って言ったら、“バカーッ! 厚木って言ったら本厚木のことでしょ!”だって(笑)。分かりませんよ、そんなの。でもね、絶対に人との約束を守ろうとする長嶋さんの姿勢は、素晴らしいですよ」
――なかなか、できることではないですね。
「そういう意味では、たけしさんも真っすぐな人ですね。嘘をつかれるのが大嫌いで、ガキ大将が、そのまま大人になったような人です。ピュアな人なんで、飲み屋で絡まれたりすることもありましたが、そういうときは、後輩の僕が間に入って収めましたね。後で、“松尾は、さすがに強いね〜”なんて冷やかされたりして。“ピンク電話事件”ってのがあって、一度、飲み屋で暴れた奴がたけしさんに、店に置いてあったピンクの公衆電話を投げたのよ。そしたら線が外れていないから、投げた電話が戻ってきて、思わず自分で受け取って倒れたっていう(笑)」
――マヌケな酔客ですね。
「思い出した! これも長嶋さんとゴルフ行ったときの話なんですが、長嶋さんの車に乗せてもらっていて、運転手のイトウさんと僕に長嶋さんが、“この道を真っすぐ行けば、右側に見えるゴルフ場だから”って言うから、みんなで右をずっと見てたの。でも、全然ない。そしたら長嶋さんが、“違った。左側だった。イトウさん、Uターンして。今度は、みんなで左を見てよう”って言うんです。それで一生懸命、みんなで左側を見ていたんですけど、やっぱりない。途中で僕は“Uターンしたから、同じ方向見てる!”って気がついて、左じゃなくて右側見ていたら、ゴルフ場があって。そしたら長嶋さんが、“ほらみろ、バカ! やっぱり右側だったじゃないか!”って。めちゃくちゃですよ(笑)」
――本当にチャーミングな方ですね(笑)。
「たけしさんも、ハチャメチャなところがありましたね。飲んだ後に2人でカラオケに行ったら、店の前で道路工事やってたんです。そしたら、たけしさんが“うるせーな。チキショー。よし、あいつらにも聞かせてやる”って言って、マイク持ったまま店を出て、道路工事の穴の中に入って、大声で歌いだしたんですよ。もう、工事の人たちに大ウケで(笑)」
■原田龍二のニュースのときにたけしが!
――さすが、芸人さん! 先日放送された『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)でも、松尾さんイジりがあったとか。
「そうなんですよ(笑)。車の中でオネーチャンと遊んでた原田龍二さんのニュースのときに、たけしさんがニコニコしながら、“俺の知り合いも車の中でそういうことしてて、足がね、(ぶつかって)窓ガラスが降りちゃったの。ずーっと降りてって……おい、ケツが動いている”って話したんです。その後続けて、“松尾雄治なんですけどね”って言っていただけまして(笑)」
――優しいですね、たけしさんは。
「かと思えばですよ、やっぱりブラックユーモアもすごいんですよ。いつだったか、たけしさんが“松尾よー、ゴルフでボールがどうしてもフック(左にいく)してしょーがねーんだよな。分かったんだけど、これ、クラブがおかしいんだよ”って言われて。当時はパーシモンと言って木製のクラブなんですけど、自分専用のを作りに行こうってことになって、工房に行ったんですよ。そしたら、たけしさんが“思いっきりフェース(ゴルフの打面)を開いちゃえ(右に向ける)”って言って、その通り作らせたんです。で、世界に一つだけのクラブが完成して練習場に行ったんです。さっそく、たけしさんが初球を打ったら、変なクラブなんで思いっきり曲がっちゃって、隣の隣の打席の人にブツけそうになっちゃって。そしたらたけしさん、打った瞬間に僕のほうをにらんでんの。まるで、僕が打ち込んだみたいじゃないですか。で、球を打ち込まれた客も、隣の僕のほうをにらんできたんです。僕はそんなに球が曲がらないし、普通のクラブで打ってましたから、ミスショットするわけないのに。困ってたけしさんのほうを見たら、笑ってるんですよ。なるほど、こういうところがすごいんだなって、改めて思いましたね(笑)」
――“いたずらっ子”なんですね、やっぱり。
「だから、本当にたけしさんが大好きで。僕、毎日、“長嶋さんとたけしさんが、元気でいますように”ってお祈りしてますもん。あのお二人には、本当に世話になっているんです。長嶋さんは親父以上、たけしさんは頼りになる兄貴分。これは生涯、変わりませんね」
――実のお父さまとは和解したんですか?
「本当の親父にも感謝はしています。だって、うちの親父は“勉強なんか、どうでもいいから、ラグビーだけやれ!”っていう人でしたから。でも、その親父の教えがあったからこそ、長嶋さんやたけしさんに出会えた。その意味で、親父には感謝してますね」
――いい話ですね。ラグビーW杯も迫っていますし、ご活躍期待しています!
まつお・ゆうじ 1954年、東京生まれ。日本ラグビー史上“最高のスタンドオフ”と呼ばれる。小学校時代からラグビーを始め、明治大学に進学。4年生のときには司令塔として当時低迷していた明大ラグビー部を初の日本一に導く。卒業後、新日鉄に入社。79年から監督兼選手として社会人選手権、日本選手権7連覇達成という「不滅の大記録」の原動力となる。V7達成試合を最後に新日鉄釜石を退社。引退後、スポーツキャスターへ。98年に普及教育委員に就任。現在は解説者、タレント活動、講演活動などを通じてラグビーの普及、競技者の育成に努める。