巨人・原辰徳監督が下す前半戦の「鬼辛口通信簿」
「うちも故障者が多くて工藤(公康)もやりくりに大変だけど、原(辰徳)だって誤算続きだろう。よくやってると思うよ……」
6月21日から東京ドームで行われた巨人-ソフトバンクのセ・パ交流戦。球場を訪れたソフトバンクの王貞治会長は、こう呟いたという。交流戦優勝を争った3連戦は、ソフトバンクが勝ち越して優勝を決め、巨人もなんとか3位に食い込んでいる。
「昨オフ、50億円ともいわれる超大型補強を断行した巨人ですが、原監督はチーム事情を深刻に捉えており、“誤算が多かった”とこぼしているといいます」(スポーツ紙巨人番記者)
原監督にとって最大の誤算は、“勝利の方程式”が崩壊したことだろう。V9戦士で野球評論家の黒江透修氏も、「いくつか問題があるけど、一番大きいのは中継ぎと抑え」と断言する。
「王さんの口癖は、“現代野球は後ろ(リリーフ陣)で決まる”。当然、巨人フロントもそれは十分承知しており、クローザーとしてクックを獲得したが、これが箸にも棒にもかからなかった。6月下旬になって、急遽、ダイヤモンドバックス傘下の3Aから、速球派の右腕ルビー・デラロサを獲得しましたが、実力は未知数。緊急トレードで、左腕の吉川光夫と捕手の宇佐見真吾を出して、日ハムから藤岡貴裕、鍵谷陽平両投手を取りましたが、戦力になるか……」(前出の番記者)
中継ぎで、計算できるのは高木京介くらい。2016年に37Sを記録し、最多セーブ投手となった澤村拓一にしても、「あいつが出てきたら勝機あり」(セ球団スコアラー)とナメられているのが実情だ。
「150キロのストレートと落ちる球も持っているのに、絶望的にコントロールが悪い。四球で自滅してベンチをハラハラさせる自作自演を、球界では“澤村劇場”と言うんだとか(笑)。彼はトレード候補だったんですが、4月中旬に暴行事件を起こしていたことが発覚したため、手を挙げる球団がなくなったようですね」(前出の関係者)
計算が立たない澤村を原監督が、なぜ使い続けるのかというと、「宮國(椋丞)や野上(亮磨)に投げさせるよりはマシ、と判断しているからだろう」(巨人OBの一人)
ことほど左様に、リリーフ陣は手薄なのだ。唯一の収穫は若手の左腕・中川皓太が台頭してきたことくらい。ただ、「中川にクローザーは荷が重すぎる。経験不足もあって、2~3試合打ち込まれたら壊れてしまうかも」(前同)という。先発陣も不安要素がいっぱいだ。
「“絶対的エース”の菅野(智之)がガタガタ。自己ワーストの10失点を記録したし、腰か股関節に不安を抱えているという噂もある。いずれにせよ、エースが本調子じゃないチームは優勝できない」(同)
先発投手で好材料と言えるのは、「今や“事実上のエース”となった山口俊の活躍と、桜井俊貴の台頭くらい」(前出の番記者)というから、心もとない。
■丸は「本当にいい買い物をした」
野手に目を向けてみよう。期待通りの活躍を見せているのは、坂本勇人と丸佳浩の2人。前出の黒江氏も、「坂本と丸は文句なしの及第点!」と太鼓判を押す。
「中継ぎ陣とエースの菅野が不安を抱える中、巨人がペナントで首位(交流戦終了時点)にいられるのは、坂本と丸の活躍があったから。加えて、ライバル広島の不調も手伝っている。ただ、一時は三冠王も狙えた坂本は、交流戦で17打席ノーヒットを経験するなど、疲れが出始めています」(スポーツ紙デスク)
丸は好調を維持しており、原監督も「本当にいい買い物をした」とご満悦だとか。
「彼は練習の虫。また、後輩にも平気で声をかけ、アドバイスを受けるなど、野球に対する真摯な姿勢も評価されています。まさに“優等生”ですね。坂本が前半戦で大爆発したのも、丸の加入で発奮したからではないでしょうか」(前同)
一方、“巨人の若き4番”岡本和真は、いまひとつ精彩を欠いている。「彼にはもろさがあるな」とは黒江氏の弁だが、今季の岡本は外角のボール球に簡単に手を出して三振することが多く、坂本、丸で作った好機を潰してしまうこともしばしば。
「(高橋)由伸前監督が我慢して4番として使い続けて、ようやく様になってきたのに、原監督は6番を打たせたりする。あれじゃダメです、育たない。我慢するしかない。ミスターだって、松井秀喜を“1000日計画”で4番にしたんですから」(前出の巨人OB)
岡本に対する起用だけではなく、今季の原監督の采配には以前にも増して“非情さ”が感じられるという。その理由を前出の球団関係者に問うと、こんな答えが返ってきた。
「原さんは焦っているんですよ。今季V逸だと5年連続となり球団史上初。是が非でもV奪還したいと、球団首脳が三顧の礼で復帰させたのが原監督。原さんもそれを知っているから、全権監督という立場を要求したんです。“V奪還したいなら、僕の好きにさせてほしい”ということですよ」
昨オフの50億円大補強にしても同様。
「戦力を整えなければ勝てませんから、球団に大型補強を飲ませたんです。結果、原さんの熱望した丸と炭谷(銀仁朗)は期待通りの活躍をしています。ただ、助っ人外国人のクック、ビヤヌエバは大外れ。これが、大型補強したわりに巨人の戦力が手薄な大きな原因なんです」(前同)
クックとビヤヌエバの獲得は、原監督の就任前にフロント主導で進められていたという。いわば決定事項だったのだ。
7月1日発売の『週刊大衆』では続けて、巨人軍前半戦の「裏通信簿」について特集。25選手について寸評を掲載している。