ソリューション・ビジネスで意識すべき情報の「重要性」と「種類」とは (4/4ページ)
それもそのはずで、情報を集めたり情報を共有することに対するインセンティブもなければ、周囲の人も共有されている情報にさして関心を持っていません。また、ミーティングを開くにしても、情報交換が目的のミーティングってなかなかみんな時間をとらないんですよ。「情報は大事だ」と口では言う割に、会社として大事に情報を扱っていない現実があります。
――今は日々目にする情報量が多いので、なかなかすべては見きれないという事情もある気がします。高杉:顧客の困りごとを察知したり、潜在ニーズをつかんでいい提案をしようと思うと、顧客との「情報ギャップ」を作らないといけません。顧客は知らないけど自分たちは知っているということをいかに作るかがソリューションの前提なんです。そのためには日々情報を集めて共有することが大事なんですよ、ということは本の中でも口を酸っぱくして言っています。
――2つ目はどんな点ですか?高杉:情報には「種類」があることを理解することです。多くの企業が顧客の情報を社内で共有しているのですが、集まってくる情報のほとんどは「何が何個売れた」という表面的な売買に関しての「営業情報」か、顧客から寄せられたクレームの情報です。
これに対して、ソリューション活動で大事なのは「開発情報」といって、「顧客がどんなことに困っていて、現状はどうしているか」という情報です。こういう情報は本当に少ない。
――なぜ少ないのでしょうか。高杉:そこに意識を置いていないからです。ソリューション活動には開発情報が大事だという認識もないですし、そもそも情報には「営業情報」と「開発情報」」があるということを知っている会社は極めて少ないんです。
――情報には種類があることを理解して、欲しい情報を指定しないと、集まりやすい情報だけが集まってきてしまう。高杉:そうですね。開発情報を取りに行きなさいと指示をして、そのための訓練をすべきなのですが、会社側もあまりそういうことはやっていません。
私はソリューション型ビジネスのための研修をやったりもしているのですが、ロールプレイングをしても、集まってくるのは「いつ売れるのか」「競合はいくらで売っているのか」「予算はいくらか」という情報ばかりですから。
3つ目は、ファシリテーターです。部署内で情報交換ミーティングを開いても、話が脱線したり散漫になってしまったり、うまくいかないことも多いんです。だから、ミーティングの全体を俯瞰できる人がファシリテーターになって、脱線したのを戻したり、面白い情報を掘り下げたりすることで情報の引き出しが増えやすくなります。
(後編につづく)