大泉洋『ノーサイド・ゲーム』“飽きた”の声を跳ね返す秘策とは? (2/2ページ)
また、過去に同じ日曜劇場で人気を博した『小さな巨人』は、主人公の長谷川博己(42)の上司、香川照之(53)が最大の敵だった。主人公と敵キャラ(上司)という、分かりやすい対決を描く作品が、日曜劇場では成功を収めているのだ。
今回の『ノーサイド・ゲーム』は、ラグビーチームとともに大逆転を目指す君嶋を大泉洋、君嶋の天敵である滝川を上川隆也が演じる。人気実力派の2人が火花を散らす本作は、企業もの、上司とのバトルもの、という“日曜劇場ヒットの法則”に、見事に乗っかった作品といえよう。その一方でネット上では「既視感を感じる」という声も散見されるのだが……。
■松たか子との絡みがポイント
しかし、この『ノーサイド・ゲーム』は、ホームドラマとしての見どころも多そうなのだ。大泉洋が演じる君嶋は会社ではやり手だが、家では妻の尻に敷かれるという設定だ。妻の真希を演じるのが松たか子(42)とこれまた大物なのだが、第1話では隼人をやりこめる真希の姿が印象的に描かれており、今後も隼人と真希のやりとりが面白くなりそうだ。
そして夫婦だけでなく、隼人の子どもたちにも焦点が当たるはずだ。第1話では長男の博人(市川右近)がいじめられる場面が、描かれていた。過去の日曜劇場のヒット作はお仕事ドラマに徹し、子どもたちが細かく描写されることは少なかっただけに、この場面はなかなか衝撃的だった。子どもの登場が増えれば、これまでの日曜劇場とまた違った、深みのあるドラマになりそうだ。
今回、大泉が演じる君嶋は上司に立ち向かうサラリーマン、ラグビーチーム再興に燃えるゼネラルマネージャー、さらに一見、頼りないけど優しく子どもたちに接する父親という3つの顔を持つことになる。家族ドラマとして視聴者を感動させられれば、日曜劇場のファン以外を取り込める可能性は高い。『半沢直樹』越えのヒットになるかどうかの鍵は、君嶋の家族が握っているのかもしれない。(半澤則吉)