上司の役割は「サポート役」? それとも「最初の関門」? 価値観の違いが生んだ対立 (2/2ページ)
そして、この上司の役割認識は世代間ギャップを象徴するものであり、おおよそバブル世代以上とその下の世代で大きく分かれるのだそうだ。
では一体どうすればいいのか?
この2つのスタンスの違いは、どちらが正しい・間違いというものではないだろう。そこで各務氏は人事マネジメント上の3つの打ち手を提案する。
1つ目は言語化。上司の役割を明確化すること。
2つ目は協調的、支援的なリーダーシップの取り方を上司側に教育すること。
3つ目は能力のフィードバックの機会を増やすこと。日々のやり取りを業務連絡で済ませるのではなく、適時フィードバックをする。
ここでピックアップしたのは、『職場の紛争学』(朝日新聞出版刊)に出てくる「ゆとり社員vs.バブル上司」の事例である。
ただし、2人の間には役割認識以外にも、仕事に対する評価の認識のズレなどがあるほか、吉田さんがほとんど社会人経験のない状態で中途採用され、能力的に自信過剰になっていたなど様々な背景があり、単に“上司の役割”の対立という話ではないことも付け加えておく。
また、もちろんこの考え方の違いは、その世代すべての人に当てはまるものではない。バブル上司の世代にも「部下を助ける存在」と考えている人は数多くいる。ただ、その一方で「俺を乗り越えていけ」タイプの上司も少なくはない。だからこそ、各務氏があげた3つの打ち手は大事になる。
『職場の紛争学』は、こうした組織内におけるコンフリクトの事例を6つ用意し、それぞれの解決方法をレポートしながら、コンフリクトマネジメントの基礎を教えてくれる一冊である。
ハラスメントという言葉が定着した今、コンフリクトが起きやすくなっているのは事実だろう。組織の中にいるすべての人が学ぶべき内容が詰まった一冊である。
(新刊JP編集部)