「第73回夏の甲子園」星陵・松井秀喜が放った「甲子園初アーチ」! (2/2ページ)
「落ちなくてシュート気味に甘く入ってしまいました。投げ終わって下を向いた時に、ガチンって音がして後ろを見たら、ライトは打球を追っていませんでした」とは打たれた藁科の言葉である。打球はまだこの時は存在していたラッキーゾーンのはるか上を超えて甲子園最深部の右中間スタンド中段に飛び込む2ランとなって消えていったのだった。
その裏、星稜は竜ヶ崎一の反撃にあい、4‐3と1点差まで詰め寄られるが、なんとか逃げ切った。結果的に松井の2ランが貴重な追加点となったワケだ。
その後、星稜は準決勝まで勝ち進むも、大阪桐蔭との一戦は力尽き、1‐7で大敗。この大会で松井は4試合で15打数4安打1本塁打。打率2割6分7厘の成績を残して甲子園を去っていったのであった。
この1年後の夏に、あの“5打席連続敬遠”という驚愕の伝説が生まれる。松井はラッキーゾーンが撤去されて広くなった高3の春の選抜では3本塁打を放ち、高校3年間の甲子園で計4本塁打を放っているが、実は夏の甲子園での本塁打はこの高2の夏の竜ヶ崎一戦での1本だけなのである。(高校野球評論家・上杉純也)=敬称略=