前世の記憶がきっかけで?平安時代のやんごとなき姫君と冴えない衛士の駆け落ちエピソード【三】 (2/3ページ)
二人の逃避行(イメージ)
「何やら随分ときらびやかに美しく、かぐわしき(良い香りのする)ものを背負った男が、怖ろしい勢いで東へ走り去って行ったそうです」
そう聞いた天皇陛下、膝を打って喜びました。
「それじゃ!姫は日ごろより大層かぐわしき香りを発しておるから、それに間違いない!」
そして御所を警護していた衛士の人員を点呼すると、例の衛士だけいなくなっています。
「おのれ下郎め、姫の美しさに乱心し、我がものにせんと連れ去ったか!えぇい、何をしておる!早く彼奴めを追い駆けて姫を救い、連れ戻すのじゃ……!」
瀬田の唐橋で追手を足止めし、武蔵国へ……一方その頃。
「ちょっとここでお待ち下せぇ」
姫宮さまを背負って近江国は琵琶湖に架かった瀬田の唐橋(現:滋賀県大津市瀬田~唐橋町)までやって来た衛士は、追手を警戒して橋を壊しておくことにしました。
瀬田の唐橋。歌川広重『近江八景』江戸後期
まず姫宮さまを背負って対岸まで渡り、姫宮さまを下してから橋の真ん中まで戻り、一間(※橋げたと橋げたの間。およそ数メートル)ばかり橋板を外しておきます。