Aphroditeが新宿LOFTのワンマン公演の場で、2020年2月19日に新宿BLAZEを舞台に6周年単独公演を行うことを発表。 (2/5ページ)
その仕種の奥からチラつかせた鋭い牙が、心へ噛みついた。さぁ、漆黒の闇を舞台にした儀式の幕開けだ。
メンバーの煽りを合図に、楽曲は唸りを上げて襲いかかる。ここが新たな物語の始まりの地だと宣言するように、Aphroditeは凛々しい歌声を魅力に『GENESIS』を突きつけた。荒々しい楽曲とは裏腹に、舞台の上を華麗に舞い踊るメンバーたち。その姿は、奈落で無邪気に戯れる黒い天使たちのよう。美しさと激しさが絡み合う『Utopia』でも、5人は、神々へみずからの身を、想いを捧げるように歌い踊っていた。彼女たちは歪(ひず)む演奏の上で祈りを捧げるように、澄み渡る歌声を闇の彼方で輝く空まで届くようにと歌っていた。
なんて麗しいステージングだ。美しき狂気へさらに狂気を塗り重ねるように、Aphroditeは『My Sweet Bach』を歌唱。たとえ世界が歪(ゆが)み螺子曲がろうと、私たちの意思は曲がることはないと伝えるように、5人は凛々しく歌声を突きつけていった。
突き刺すような痛く重い音を背景に、荒廃した失楽園へと連れ出すようにAphroditeは『Distopia』を歌いだした。激しく騒ぐ楽曲の中、彼女たちは一筋の光のように美しい声をはべらせ、触れた人たちに道を示してゆく。美しい歌声で人々を深海へ連れ去るローレライのように、その歌声は、荒ぶる音の中、手を伸ばしてつかみたい希望のようだった。ノイズのような歪む音が響き渡る『creator』の中でも、その歌声は一筋の強い光となって心を貫いた。奈落の奥底から"生"を示すように,Aphroditeは『Re-Call』を歌いあげる。雄々しきその歌声は、触れた人たちの心を捉えて離さない。慟哭にも似たその歌声を、しっかりつかみ取りたい。そんな衝動に心は支配されていた。
身体を杭で打ちつけるような重いビートに乗り、嘆くように歌をはべらす5人。Aphrodite流のタンスロックナンバー『ヨハネの福音』の登場だ。妖しく跳ねる演奏に想いを重ね合わせるよう、5人も弾むように歌声を重ねてゆく。仕掛けの壊れた人形のように歌い戯れる姿も魅力的だ。サビで一気に感情のボリュームを上げたのも、彼女たち自身が気持ちの熱情を滾らせたからか…。