羽生結弦、8年間つらぬいた「愛」が生んだ“強さ”
フィギュアスケーターの羽生結弦(24)の貴重な“ロードレーサー姿”のポスターが先月末、東京メトロ新宿駅の地下通路にお目見えした。これは今月14日、15日に開催される、東日本大震災の復興支援を目的とした自転車イベント「ツール・ド・東北2019」をPRしたもので、羽生は人気アニメ『弱虫ペダル』のキャラクタ―とともにイラストになってポスターに登場したのだ。
「羽生は被災地復興への思いが人一倍強く、東日本大震災から8年以上たった今でも東北の支援を精力的に続けています。というのも、羽生自身も仙台出身で、地元のリンクで練習しているときに被災。一家でしばらく避難所生活も経験しているからです。
生きることに精一杯でスケートをやめることを考えた時期もあったそうですが、そんな中でたくさんの人に支えられたことで“地元愛”を強くしたのかもしれませんね。“自分にできることはスケートだけ。スケートを通して少しでも多くの人に勇気を与えられればいい”という信念が、8年以上たった今でも一切ブレないのが彼らしいですよね」(スポーツライター)
これまで羽生が行ってきた被災地支援は挙げればきりがないが、今年の3月には羽生監修の『羽生結弦 3.11 SMILEスタンプ』も発売された。
「スタンプの売り上げは全額、寄付されました。また今年3月に行われたチャリティーオークションでは、出品したスケート靴が712万2994円という高額で落札され話題にもなりました。東北だけでなく熊本地震や北海道地震、西日本豪雨など全国の被災地にも支援を行っており、寄付額の総額はこれまで公にされているものだけでも1憶3000万円は下りません」(前出のスポーツライター)
■羽生が思わず口にした“本音”とは?
支援金以上に被災地を元気づけているのが、羽生が常々口にする被災地への思いだ。
「東日本大震災からちょうど1年後に初出場した世界フィギュアで銅メダルを獲得した際には“被災地の方に元気をもらっている立場、ということを受け止められた実感で涙が出た”と話し、2014年ソチ五輪で優勝した際には“被災地のことを忘れないでほしいという思いを伝えるために、これからも滑り続けるつもりです”とコメント。
さらに2018年平昌五輪後に地元仙台で行われた祝賀パレード後には、“復興の手助けになるような行動をしていけるよう、心がけなくてはいけないと思った”と語るなど、つねに被災地への思いを口にしてきました。また、彼がケガをして久しぶりに公の前に姿を現したと思ったらチャリティーイベントだった、ということも何度もありました。それほど復興支援を大切にしているんです」(前出のスポーツライター)
時にはこんな“本音”を吐露したことも。
「ソチ五輪では、金メダルリストになったにもかかわらず“僕1人が頑張っても、直接助けになるわけではない。無力感がある”と話す場面も見られました。その言葉を聞いたときには“若い青年が、何て重いものを背負ってしまったのだ”と、正直気の毒に思うほどでした。
しかし、そうではなかった。羽生は被災地とともに歩むことで成長してきたのだと、今は結果が証明しています。『自分自身を貫く』とは羽生が大事にしている言葉ですが、そんなブレない信念、責任感や熱い思いが、羽生を一層強くし、彼のスケートを輝かせているのでしょう」(前同)
今季の初戦は9月12日からカナダで開催されるオータム・クラシック。被災地への思いを胸に、今シーズンも羽生は躍動してくれるはずだ。